2月28日に東京大学にて、ワークショップ「Game × Learning × Eco」を開催いたしました。
このワークショップは、ゲームと学習に関する知見の発表と、
ゲーム×学習の体験のためのワークショップである「Game × Learning × ???」
の第一回目として開催いたしました。
簡単ではありますが、内容をご紹介したいと思います!
1.アイスブレーク
ゲームを体験するグループに分かれて、
思い出のゲームをレゴで再現してもらいました。
カービィ・マリオ・クラッシュバンディクー・インベーダーなど、
多様なゲームが表現されました。
![レゴ作品](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=210x10000:format=jpg/path/s4554d378fc20c578/image/ia285eb57b98e8f57/version/1299472888/image.jpg)
2.発表者紹介
本日の登壇者である、福山と・東京大学博士課程の池尻さんの紹介をしました。
池尻さんは歴史の因果関係を現代に応用する力を育成する研究を行っている研究者です。
池尻さんのHPはコチラ!
2010年より行っている、ゲーム研究の研究会とその活動等について説明しました。
![発表者紹介](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=270x10000:format=jpg/path/s4554d378fc20c578/image/ifab774f29eceed9b/version/1299473552/image.jpg)
3.ゲームと学習に関する発表
池尻さんの方から、「15分でわかるゲームと学習」というタイトルでご発表いただきました。
内容は初回ということで、広くゲームと関連する学習理論についてです!
近代までの一斉授業による教授と、その課題についての指摘、
新しい学習観とゲームの関連性についての説明がまず行われました。
新しい学習観とゲームの4つの出会い(Elgood, 1993)
① プラグマティズムの面から
より良く学習するために現実のような状況を作る
② 科学の面から
数学的ルールで因果関係をシミュレートする
③ エンターテインメントの面から
楽しんでやる活動は好意的態度と学習の促進を生む
④ 社会科学の面から
個人ーグループ間で生じる出来事を感情面から扱う
それに対応するゲームとして、
・フードフォース
・America's Army
・Virtual U
・Elementio
・My Earth
・bafabafa
などの事例と、
・Kolbの経験学習理論
・チクセントミハイのフロー理論
・デュークのゲームにおけるコミュニケーションモデル
などの学習理論を関連付けてご説明いただき、
最後に学習×ゲームの最新の動向として、
研究としても、市場としても注目が集まりつつあるという内容でしめていただきました。
ゲームの歴史
学習の歴史
ゲームと学習の出会い
ゲーム × 学習の3つの理論的背景
広がる未来
![ゲーム×学習のプレゼン](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=270x10000:format=jpg/path/s4554d378fc20c578/image/i4613832b1cd7f70a/version/1299473539/image.jpg)
4.ゲーム体験「Connect the WorldⅡ」
ゲーム体験セッションでは、福山の開発しました、
環境問題の社会的ジレンマを体験するためのゲームである「Connect the WorldⅡ」を、
プレイしていただきました。
このゲームは、ある世界において「個人」と「国家」の役割を担ってもらい、
世界の破滅を避けつつ、自己や国家の利益を最大にすることを目指すゲームです。
カードを選んだり、他国と交渉をする中で、「協力行動」・「非協力行動」という概念や、
私的な利益と公共的な利益の矛盾という社会的ジレンマ構造を学習することができます。
ゲームはかなり盛り上がり、製作者としてはとても嬉しいものがありました。
![ゲームの様子](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=270x10000:format=jpg/path/s4554d378fc20c578/image/ieae2d0a289519544/version/1299474656/image.jpg)
ゲーム終了後はリフレクションを行います。
ゲームに熱中するとカードの内容やゲーム構造まで目がいかないということはよくあること、
そこでこのゲームでは終了後に、
自分の生活とカードを対応させて、自分にできることやできないことを考えたり、
みんなで環境問題の解決策を話し合うといった、
リフレクションを導入しています。
ゲーム学習において、リフレクションやデブリーフィングの重要性は広く指摘されています。
![リフレクション](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=270x10000:format=jpg/path/s4554d378fc20c578/image/i8642ba02c7146940/version/1299474685/image.jpg)
5.ディスカッション
体験したゲームの拡張可能性や、ゲーム学習の可能性について議論。
とても面白い指摘やアイデアがたくさん出たのですが、時間が短かったのが反省点でした。
6.ラップアップ
福山と池尻さんの方でまとめをさせていただきました。
池尻さんの方からは、「理論のおさらいと今回のゲームへの対応付けの話」を、
福山は、「ゲームはあくまでも手段であり、ゲームに適した学習目標・題材とはなにか?
ということを考えていく必要がある」という話をさせていただきました。
7.次回予告
最後に5月開催予定のワークショップについてお知らせ。
まだ未定ですが、
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス環境情報学部
“Go_to_hills!”の船柳さん、吉中さんらが開発した、
遊びながら世界の国の名前・国旗・位置・地域連合・民族衣装を学べてしまうカードゲーム
「ちきゅUNO」を次回のゲームにさせていただく予定です。
初回ということで、ドタバタしてしまったこともあり、反省点も多々ありましたが、
私達にとって新たな出会いや気づきのある有意義なワークショップでした。
貴重な休日を使ってご参加いただきました参加者のみなさまには大変感謝をしております。
またこの場をお借りして、
ゲーミング勉強会のメンバーでロゴのデザイン等をお願いいたしました浅見智子さんと、
ワークショップのアシスタントを務めて頂きました、中原研の木村充くんに御礼を申し上げます。
それでは、また、次回のワークショップでお会いしましょう!
※今回のゲームの体験を希望される方がいましたら、
fukuyamayuki{at}gmail.comまでご連絡ください。