みなさま、大変ご無沙汰しております。
私、福山は2011年4月より所属が変わりまして、
早稲田大学人間科学研究科博士課程に進学いたしました。
今後も「ゲームと学習」について、考え・研究していくことには変わりませんので、
これからもよろしくお願いいたします。
さて、ゴールデンウィーク前夜の4月28日から29日にかけて、
博士のシェアハウスさんで、「ゲームを通じた学びについて考える合宿」が開かれました。
参加者のみなさま、その節は楽しい時間をありがとうございました。
自分の中でもまとめ切れていませんが、一度書いてみます。
遊んだゲーム以下で、カルカソンヌ以外は、
カレイドソリューションズの高橋さんに提供していただきました。
【カードゲーム】
・ゴキブリポーカー
・髑髏と薔薇
・MOW
・お邪魔もの
・バーンレイト
【ボードゲーム】
・モダンアート
・カルカソンヌ
・プエルトリコ
(他にもありましたら、誰か教えてください…)
大量にゲームをやって感じたことを簡単にまとめるのならば、
「仮想性と現実のバランスが重要」ということと、「デブリーフィングの重要性」でしょうか。
ゲームをやった後に得られるものというのは大きく分けて3つに分けられる気がします。
・なんらかの知識
・ゲームが描いている世界・構造への気づき
・自分の思考法・発想の洗練・気づき
私の立場からすると、この中で一番重視されるものは2番目です。
これは、「ゲームをすることによって、ゲームが描いている世界や構造へ何らかの気づきがあり、
それによって現実世界で何らかのメリットがある」というようなことです。
このような気づきをゲームによって誘発する場合、どこかの段階で、
「現実とゲーム構造」がリンクしていることを参加者が気づく必要があります。
このときゲームの内容があまりにも現実と同一である場合、
ゲームとして面白くなくなることや、参加者が冷めてしまう可能性があると思われます。
例えば、自分のゲームである「Connect the World」に当てはめてみると、ゲーム中で「ゴミを捨てた」時、本当に現実世界で1人がゴミを捨てた程度しか環境汚染が起きなければ、つまらないでしょう。
また、逆に多くのエンタメゲームを遊んだ場合そうであると思いますが、
「現実とは違うどこかの世界」で起こったことであるとプレーヤーが認識すれば、
現実世界に影響を与えることはまず無いと考えられます。
おそらく理想的には「発見学習」ではないですが、参加者が仮想的なゲームの世界の中で活動する中で、「これは現実と関係するのではないか」、「現実の構造もこうなっているだろう」ということを自身で気づくのが良いと思われます。
しかし、もちろんこのようなケースは希であることが想定されますので、
その場合特に重要になるのは「デブリーフィング」でしょう。
※デブリーフィング≒振り返り
ゲームの中で何を学んだか、どのように行動したかを話し合ったり、
今後どのようにゲームでの経験を生かしていけるかを考えたりすること。
ゲーミング・シミュレーション研究の中では特に重視されており、ゲームの実施と必ずセットとされ、長い場合では1時間以上行われる。
今回私は「プエルトリコ」というゲームをやっていて、
ゲームでの植民地経営では、「本国に品物を送るのが重要」・「安価な労働力が潤沢に使用できる場合、経営はまず破綻しないので農園は拡張した方がよい」ということを思いました。
しかし、この「思ったこと」が「ゲームの中で通用する知識」(個人的に「ゲーム知」と読んでます)なのか、現実の植民地経営に思いをはせた時にあっていることなのかは、不明です。
あくまでこのゲームを僕が重視する学び得るために行うと想定すれば、この状態では成功とは言えません。
何らかの形で、現実の植民地経営とゲームのリンクをリフレクションする必要性があります。
つまり、「現実と仮想のバランスが取れたゲームを行い、適切なデブリーフィンを行うこと」がゲームを通じた学びには重要なのではないでしょうか。
当たり前のような話ですが、これが私が今回改めて感じたことです。
以下、個別のゲームの感想を特に気に入ったのを2、3つだけ書いておきます(笑)
【髑髏と薔薇】
ブラフゲーム。参加者は薔薇3枚と髑髏1枚の札を最初に1枚一斉に自分の前に置き、
その後時計回りに順番に場に札を出すか、薔薇を自分が何枚連続で引けるかを宣言するかをする。
誰かが宣言した場合、他のプレーヤーはそれより多い枚数を宣言しても良い。
「まず自分の札を表にした後で」無事に残りの枚数薔薇が引ければ勝ち!髑髏を引くとペナルティ。
http://sgrk.blog53.fc2.com/blog-entry-1880.html
⇒自分の札に髑髏を混ぜた状態でいかに相手を引っかけるかというのが楽しい(笑)
自分が勝ちに行く時には、必ず薔薇を全部にしないといけないので、
お互いがどこで攻めてくるかというのを読む駆け引きがかなり熱いです。
【バーンレイト】
会社経営カードゲーム。IT企業の社長になって最後まで経営を続けられた人が勝ち。
使えない(どこかで聞いたような)アイデアや使えない人材を他者に押しつけたり、
逆に自社のそれらを上手く排除するゲーム。
http://ejf.cside.ne.jp/review/burnrate.html
⇒まずなされる会話が楽しい!「おまえクビ!」とか「こいつマジ使えない!」とか、
「こんなアイデア思いついたの誰だよ!」とか社内では言えないことが大声で言えます(笑)
会社員の方的には納得できる要素も多いらしいですよ。
【モダンアート】
絵の競りをするゲーム。5人の画家の絵を6種類の競りの方法で売ったり買ったりして、
お金持ちを目指すゲーム。
http://sgrk.blog53.fc2.com/?no=624
⇒市場で多く売れた絵から高い価値がつくという要素が面白いです。
競りのやり方と値段の付き方の癖が何となく分かるという学習の要素と
せっかく高く買った絵が値段がつかなかった時の悲しさを体験できます(もちろん逆も)
今日はとりあえず、こんなところで。
次回予告:
「ラーニングアートの旅:Party of the Future 2011に参加して」
「研究をゲームで伝えるワークショップ(トライアル)報告」
を近日中にお送りする予定!
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Peregrine (月曜日, 23 7月 2012 17:59)
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