一ヶ月ぶりの更新です。大変遅ればせながらですが、あけましておめでとうございます。
本年も、このブログと私をよろしくお願いいたします。最近、どうもブログと本人が結びついていないことが多いらしく、「あのブログって福山さんが書いてるんですか?」と言われることがあります。当ブログは早稲田大学で「ゲーム×教育と学習」を研究している福山のブログですのでよろしくお願いします(笑)
さて、本日、1月25日は、「クローズアップ現代」でのゲーミフィケーション特集、井上先生の「ゲーミフィケーション」の発売とその出版記念USTということもあり、さながら、“ゲーミフィケーションデー”という様相を見せています。
流れに乗って?私も、以前から考えていた「研究をゲーミフィケーションする」という案の中から、「文献レビューをゲーミフィケーションする」という内容の記事を書いてみたいと思います。大学生/大学院生向けに単位は「論文」となっていますが、変数を変えて頂ければ何か新しい分野を勉強したいと思っている社会人の方にも使っていただける…かもしれません。
ゲーミフィケーションに関して最近思うことですが、もうすでに随分と色のついたワードになってきた気がしまして、個人的には教育分野に適応する際はこの言葉を使わずに、“Gameful Education/Learning”と呼びたいと思っています。とはいえ、有効に活用できる分野も多くあると思いますので、引き続き注目はしていきたいですね。
ゲーミフィケーションについては以前書きましたので、コチラも併せてご覧ください。
さて、私の修士生活を振り返って、一番辛かったことは大体文献レビューと結びついています。
どうして文献レビューが辛いのかということを考えると…。
1.終わりが見えない…というか無い
2.10本読んでも、実際に引用に至るものは1本あるかないかと成果が見えづらい
(読んでいて使える!と思うモノで半分以下)
3.インプットの作業は基本的に誰にも褒めてもらえない
4.しかし、極めて重要である
というような、成果が見えづらく/報酬がないのに重要という構造が原因であると思われます。4年間の研究生活の中で、集中的にレビューをする期間が4,5回ありましたが、毎回涙が出るくらいツライのが実情です。(ゲームの教育利用の分野では日本語文献がほとんど無いので、英語ばかりになる…というのも理由の1つです。)
そこで、”文献レビューをゲーミフィケーションする”というアイデアを提唱してみます。名前は家事をRPGにするゲーム”Chore Wars”をもじって、”Review Wars(仮)”とでもしておきましょう。以下、手順です。
○ゴールの状態に名前をつけよう
壮大で構わないので目標を達成した状態の自分に称号をつけましょう。
とりあえず、私の例で「ゲーム学習王」としておきます。
○文献レビューで必要な量を目安として設定しよう
とりあえず、「関連しそうな論文を50本読め!」というのが私のM1の5月から6月にかけての課題だったので、書籍10冊を足して60にしておきましょう。あまり先を見据えすぎるとたぶん、やる気を失います。
○経験値と目標値をデザインしよう
【例】
・日本語書籍…2exp × 7冊
・日本語論文…3exp × 25本
・英語論文 …4exp × 30本
・英語書籍 …5exp × 3冊
適当に書きましたが、自身の目標に併せてカスタマイズしてください。
学部生なら、新書/入門書/専門書/日本語論文くらいの種別でも良いかもしれません。
楽をしないようにそれぞれ上限に達したら以降は経験値は入らない…とか決めた方が良いかもです。
○レベルと称号をデザインしよう
【例】の場合だと経験値の合計は224になります。
とりあえず、貴族階級を参考に階級を適当にデザインしてみます。
「騎士」から始まって、経験値が20になったら男爵に昇格します。
・王 →224
・王子→176~223
・公爵→130~175
・侯爵→91~129
・伯爵→55~90
・子爵→45~54
・男爵→20~44
・騎士→0~19
基本的には自分で自分を褒めるのが目的ですので、ご自身がテンションのあがる称号を作ってください。他に、日本語文献を目標まで読んだら…とか、○○のジャンルを10冊読んだら…とか、誰々の著作を5本読んだら…とか細かい実績を作ってもOKです。あった方がモチベーションは上がると思われます。
実績についてはコチラが詳しいです。凝り性の方はゲームデザインの知見を参考にデザインをすると楽しいと思いますが、ほどほどに(笑)
○管理シートを作ろう
Exel等で進捗を管理するための表を作りましょう。ついでに何を読んだのか・どんなワードで検索したのか等をメモしていくようなシートも一緒に記入しておくと一石二鳥です。
と簡単ですが、“文献レビューをゲーミフィケーションする”案を考えてみました。
個人的にはそこを超える必要があると思っているのですが、“やりたくないこと/ツライことを楽しくする”という観点ではゲーミフィケーションは極めて有効な手段でしょう。
この方式でまず自分で試してみて良さそうでしたら、続報をお伝えしたいと思います。
もし、続報がなかったら飽きたんだな…とせせら笑ってやってください。
今回、“文献の読み方”という観点には全く考慮していません。文献の読み方に関しては、私の先輩である舘野さんがブログにまとめていらっしゃいますのでコチラをご参照ください。
余談ですが、この記事を書くために前の指導教官である中原先生からいただいた、「福山くんの課題」というメールを全て見返し、いろいろ思い出してちょっとほろっと来ました。
それでは。
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