3月15日に東京大学本郷キャンパスにて、CLG研究会として、
セミナー「優れたデザインが生み出すデジタルゲームの楽しさ」を開催いたしました。
前回のワークショップが即日満席になってしまったこともあり、
今回はもじぴったんプロデューサーの中村さんをお招きしての、
セミナー形式での開催となりました。
学生・企業人・教員など幅広い分野から70名ほどのご参加をいただき、
この分野への関心の高まりを改めて感じることが出来ました。
私は今回はスタッフとして関わらせていただきました。
数名で運営せざるを得なかった関係で、多々不手際があったかと思いますが、
どうぞご容赦ください。
セミナーの様子はTogetter等で感じていただけるかと思いますので、
下記リンクからぜひご覧ください。
さて、今回はセミナーの趣旨からは少し外れますが、
中村さんのお話の中で私にもっとも刺さった「失敗のデザイン」について書きたいと思います。
中村さんの方からは良いゲームでは、「もう一回やりたい!」という欲求を高めるために、
失敗の際のアクションに力を入れているというお話がありました。
(パックマンではステージクリアの演出よりも「失敗」の方が凝っているそうです)
パックマン(1:00ごろクリア/1:25ごろミス)
また、マクゴニガルも例に挙げていた「Monkey Bowling 2」の事例から、
ゲームよっては成功と同様に失敗からも快感を得ているというお話がありました。
リンク先PDF/英語
The Psychophysiology of Video Gaming: Phasic Emotional Responses to Game Event
藤本先生など多くの研究者はゲームやシミュレーションを学習に用いるメリットとして
「失敗による学習」「失敗可能な環境」というものをあげています。
しかし、今回の話をお聞きして良いゲームを学習に用いることで、
「楽しく失敗できる」「失敗そのものを楽しいと感じられる」という点でも、
メリットになり得るのではないかと感じました。
現代社会、特に日本において失敗や負けを学習に導入することは禁忌される傾向にあります。
また評価方法もテストによる一発勝負が主流で「失敗を楽しむ」ことは用意ではありません。
しかし、人生において「失敗」というものはありふれています。
キャロル・ドゥエックのマインドセットの研究をあげるまでもなく、
「失敗をおそれず、自分はもっと成長できる、つぎはもっと上手く出来る」
という柔らかいマインドセットを持つことは成長するためにとても重要でしょう。
セミナーでの中村さんの言葉に
「優れたゲームデザイナーはゲームが下手な子が失敗や過程を楽しめるようにする」
という言葉がありました。
これはそのまま
「優れた教授者は学ぶのが苦手な子が失敗や過程を楽しめるようにする」
と言い換えても格言になり得ます。
ゲームやゲームのデザインを用いて、
「楽しく失敗から学べる学びの場」という未来が来ると良いですね。
このあたりこの後もまた考えていきたいテーマです。
なんとなくまとまらない感じですが、明日はテアトロフォーラムなので、この辺で。
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