みなさま、こんばんわ。
今日はお知らせが何件かと、少し間が空いてしまいましたが3月17日に開催された、
「Game×Learning×Fun」の報告をしたいと思います。
【お知らせ1】
私、福山が1章執筆させて頂きました、「職場学習の探究」が生産性出版さんから発行されました。
昨年までお世話になっていた、東京大学の中原先生とその研究室のメンバーとの共著ということで、
無事発行にこぎ着けて感動もひとしおです。私の章では、ブログでも何回か取り上げている、
組織市民行動と、職場学習という風土を併せ持つ職場のメリットについて考察しています。
論文を集めた書籍で難しい内容ですが、ご興味のある方はぜひ!
【お知らせ2】
本ブログの最初の記事で参加者を募集した、社会的ジレンマを体験するカードゲーム「Connect the World」が論文になりました!
教育工学論文誌35(4)に収録されています。初の査読付き論文ということで、やっと私も研究者らしくなって参りました。
現在作成中の新しいゲームもまもなく実験に入りますので、こちらもぜひご参加ください。
(今回も実験の段階では、大学生を対象とする予定です。社会人の皆様にもいずれ体験して頂く機会を設けたいと思います。)
さて、今日の本題の「Game×Learning×Fun」の開催報告です。
ワークショップ「Game×Learning×???」の第4回は「Fun」ということで、
「ゲームの面白さと学び」がテーマでした。
今回題材とさせて頂いたのは、東京大学大学院の浅見智子さんが開発した、
創造科学アドベンチャーゲーム「それでも地球は回る」です。
今回は初の1人用のデジタルゲームが題材ということもあり実験的な取り組みとして、
事前にゲームを体験してきて貰い、当日はそれについて話すというデザインで行いました。
浅見さんからは、Prenky(2000)の主張する「優れたシリアスゲームデザイン」の原則である、
「Fun First」についてのお話や学びと面白さの両立などのお話がありました。
ワークショップの活動をいくつかご紹介しますと、
1.ゲームのシナリオ表を見て、学びになった箇所・面白かった箇所を書き出すワーク
2.グループで書いたものを共有し、「面白かった場所」・「学びになった場所」・「面白くて学びになった場所」・「どちらでもなかった場所」の特徴を探してみるというワーク
3.伝えたい面白さ「から」シリアスゲームを考えてみるワーク
などを行いました。
本題とは少しずれますが、「Fun First」の原則に関して、思うことがありました。
もちろん、シリアスゲームはゲームである以上「面白く」ある必然性があります。
しかし、予算規模も目的も違うエンタメゲームに「面白さで勝つ」ということは難しいと私は考えます。
もし、「Fun First」の原則を置くシリアスゲームがエンタメゲームを強く意識しているのであれば、それは勝てないものに戦いを挑んでいるように私には見えます。
私にとってのシリアスゲームなどのゲームを利用した学びの仮想的はその他の学習法です。
「遊び」が多様化した時代に「遊ぶ時間」を取り合うのではなく、
「学習の時間」を他の学習法と取り合う、もしくは「ゲームの魅力で学習の時間自体を少し増やす」という風に考えます。
この2つの価値観は「学習よりに立つ」か「ゲームよりに立つ」かという問題で、
どちらが正しいということはないでしょう。
パネルディスカッションで少しだけ触れましたが、またじっくりと話したい話題です。
(喧々がくがくの議論の様子が写真です/笑)
…、話をワークショップに戻して、まとめます。
ゲーム体験を事前にしたことで、当日の盛り上がりは過去に比べて少し落ちましたが、
その分じっくりと内容に関して話の出来る会になったのではないでしょうか?
改善点も多々ありましたが、今回の形式に似た形もまたあるかも知れません。
それでは、また次回の「Game×Learning×???」でお会いしましょう!
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