ゲーム≠ゲーミフィケーション

みなさま、ご無沙汰をしております。

昨日の夜中に書いたツイートに、思いの他反響があったので、

先日、東京富士大学の研究会に呼んで頂いた時の講演内容と合わせて、

今更ですが、シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いについて、

少し書いてみたいと思います。

 

シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いは、

ゲーミフィケーションは「ゲーム」では無いということです。おしまい。

となると、怒られると思いますので、もう少しちゃんと書いていきます。

 

シリアスゲームとは、

「教育をはじめとする社会の諸領域の問題解決のために利用されるデジタルゲーム」(藤本 2007)

のことで、ゲームジャンルであり、ゲームの活用法の一形態です、

一方、ゲーミフィケーションは、

「ゲーム以外の領域で、“何らかの目的”のためにゲームの要素を活用する手法」

であり、あくまでも「ゲームそのもの」ではありません。

 

なので、間違って頂きたくないのは、

私は諸々の「シリアスゲーム」を作っていますが、

ゲーミフィケーションは今のところはしていないということです(笑)

 

その他、シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いとしては、

【前提条件の違い】【影響を受けているゲームの違い】【背景理論の違い】

などがあります。

例えば、シリアスゲームは、コンシューマゲームのデザインに影響を受けていますが、

ゲーミフィケーションはソーシャルゲームのデザインに影響を受けています。

(あくまでも、多くのという話ですが…)

 

その他、講演では「ゲームフル」と「ゲーミフィケーション」の違いにも言及しましたが、

今回はそれは割愛しておきます。

 

おそらく、これを読むであろう多くの「ゲーム」や「ゲームの要素」を使って何かをしたいという方は、

これらの用語の細かな差異に気をつける必要は無いと思います。

井上明人さんが仰るように、「ゲーミフィケーション」という流行は、

ゲームの力を社会に活用しようとする何度目かの波です。

よって、「ゲームネイティブ」が増え、ゲームという言葉の受け取られ方が変わってきた今、

“ゲーミフィケーション”というワードが消えても、

“ゲームの力”を世の中に生かすメリットや流れは消えはしないと思います。

 

私が最後に言いたいのは、とはいっても、

“ゲームを作る”ことと、“ゲームの良さを何かに取り入れる”ことは、

異なるのでそれだけは留意して欲しいということです。