教育用ゲームを作る際に気をつけること

みなさま、こんにちは。
博論の合間に今日も少しだけ書いてみようと思います。

先日書きました、「ゲームを用いたイベントを作る際に陥りがちなこと」が、
割合によく読まれているようでしたので、今日は関連して、
「初めて教育用のゲームを作る人が陥りがちなこと」というのを考えてみたいと思います。
お話を伺う際にはだいたいゲーム案のようなものを見せて貰うのですが、
そこでよく見られるあまり良くない傾向として見られるのは、
「全部盛りラーメン症候群」というのがあると思います。

指導教官であった中原先生が今日のブログで使っていたので,表現をお借りしてみました(笑)
これは一言でいうと、1つのゲームに「あれも、これも入れたい」と、

詰め込み過ぎてしまう傾向のことです。
はっきり言ってしまえば、初めてゲームを作る方が、

変数と要素の多いゲームを成立させるのは、ほとんど不可能です。、
調理をしたことないのに、フランス料理のフルコースを独りで作るようなものだと思ってください。
要素が増えれば増えるだけ、参加者が体験することや学ぶことはばらけてしまいます。
「○○にはあれもこれもある」ということを教えたいんだ!

という熱意をお持ちの方もいるかと思いますが、
「あれもこれも」を表現することはかなり困難です。
僕もまだペーペーみたいなものですが、

せいぜい変数は3つ、4つくらいが限界かなと思っています。

このようになってしまう理由はいくつかあり、
1.たくさんのことを体験させたいと欲張りすぎている
2.教えるべき内容をすべて正確に再現しようと思いすぎている
などが多いかなと思います。

あまり時間もありませんので、2番目の方だけ簡単に説明しますと、
現実の状況は極めて多数の要素が絡み合って存在していることが多く、
それを正確に再現するためには多くの変数や要素が必要になります。
ここで、「それを全部入れなければ正確な学びにならない」と考えてしまうと、
全部盛りラーメンを調理せざるを得ないことになります。

ゲームやシミュレーションを用いた学びでは、

「複雑な問題のある側面を強調した形で取り出して学ぶことができる」
ということが研究者によってあげられています。
逆を言えば、このような形でゲームを設計すべきであるということになるでしょう。

正確な問題の体験は、直接体験か何億かかけたようなシミュレーターに譲り、
「問題の強調したい側面」を「出来るだけ少ない変数と要素で表現する」ことが、
まず出発点として重要なことかなと思います。
電車がちょうど着きましたので、今日はこのあたりで。