対人援助のためのグループワーク2 作品解説

みなさま、こんばんは。
本日5月30日に私の作ったワークも4つ収録された、
「対人援助のためのグループワーク2」が誠信書房より発売になりました。
この本はグループワークブックということで、特にコメントやワークの解説などを、
書く場所はありませんでしたので、ブログの方に作品解説などしてみようかなと思います。

①あなたのイメージはどんな形:イメージの絵

このワークは2年前に開催した「Game×Learning×Kid」のアイスブレークとして実施した、
「あなたの地球はどんな形?」をリメークしたものです。
このワークショップは小学生が対象ということで、単純かつ絵を描くものにしようと考え、
「○○な地球」というお題でそれぞれが絵を描き、

どんなお題で書いたのかを当てるというゲームにしました。
(○○には形容詞が入ります)
それぞれが形容詞に持つ色や形の感覚の違いが浮き彫りになると良いなと思ったのですが、
なかなかに上手くいき、それぞれの語感の違いというのが、

良く感じられるワークになったと思います。
収録に当たっては、ワークショップのテーマだった「地球」というのを無くし、
使用場面にあたってのテーマをお題にして、進行できるように微調整しました。

「Game×Learning×Kid」に関しては、こちらをご覧ください。

②かってにハッピーエンディング:思いもよらない私の未来

このワークは、2年前に吉野で開催された「経験のRemix」のゲーム班で作成した、
「かってにキャリアRemixゲーム」をリメークして作成しました。
先日、広島で開催した「かってにハッピーエンドゲーム」はこれをさらに調整したものです。
吉野での実施の際から「誰かの自分を表す4つのキーワードを使ってお話を作る」という

コンセプトは変わっていませんが、
誰かの「幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし」という話を作るというお話の縛りや、
ワークシートの導入や、キーワードのリストの作り方の指示を精緻化など

作成しやすさを意識しました。
「自分が自分に対して持っている」、「ドミナントなストーリー」に対して、
他の人の作る「ハッピーなストーリーを聞く」ことで、

「オルタナティブなストーリー」を獲得することを目指しています。

かってにハッピーエンドゲームに関しては、こちらをご覧ください


③私のしてほしいこと、してほしくないこと:私を分かってほしい

今回収録した中の唯一の完全新作です(笑)
私の所属する所沢キャンパスに行くためには学バスに乗る必要があるのですが、
その中で、学生さんたちの恋愛話を聞いて思いついたワークです。
「○○された/言われたんだけど、マジありえない」という彼氏・彼女の愚痴は、

バスでの話題の超定番ネタですが(笑)
その○○に入る内容が、「連絡をくれない」から「頻繁な連絡がうざい」まで

「本当に多様な価値観があるなぁ」というところから、
自分がされて嬉しいこと/嬉しくないことを5つ書き出し、

他の人に順位を当ててもらうというワークを考えました。
実施すると、「え、それより、それの方がいやなの!?」という驚きがあると思います。

④協力・非協力:誰が仕事をするのか

このワークは初代「Connect the World」のリメイクです。
いつか、簡単に実施できる社会的ジレンマのゲームを作ろうと思っており、

良い機会だったので作りました。
いわゆるN人ジレンマのゲームで、囚人のジレンマとは異なり、

複数人で協力か非協力を選択します。
非協力を出すと「個人の得点」が上昇し「公共のポイント」が減少し、

協力を出すと「公共のポイント」が増加します。
ワークとしてはきわめて単純ですが、「ありとあらゆる組織」は多かれ、少なかれ、
「誰かの自発的な協力で成り立っているような何か」を抱えていると思います。

(経営学的には「組織市民行動」と言います)
自分の組織での類似の問題を考えることで発見のあるワークなのではないでしょうか。

社会的ジレンマについてはこちら
組織市民行動についてはこちらをご参照ください

以上、今回ワークブックに収録されたワークについて、
セルフライナーノーツのような形で、ご紹介してみました。
そのほかにも全48ワークが収録されていますので、

何かグループワークのネタをお探しの方には、
良い本なのではないかと思います。ご興味ある方はぜひお手にとっていただければ幸いです。

 

Amazonのリンクはこちらです。

(5月30日現在まさかの在庫切れです/たぶん仕入れが少なかったのでしょう…)

 

それでは!