2014年
12月
04日
木
【参加者募集】「将来の職業をゲームで考えるワークショップ」を東大で開催します!
先日、インターカレッジコープさんと共催した「将来の職業をゲームで考えるワークショップ」を、
対象を大学生・大学院生に拡大して、12月23日(火)に開催することになりました。
前回ご参加いただけなかった皆さまもぜひご参加下さい!
下記、フォームからお申し込みいただけます!
2014年
11月
19日
水
【終了】 将来の職業をゲームで考えるワークショップ
11月25日の夜に東京インターカレッジコープさんと共同で、
「将来の職業をゲームで考えるワークショップ」を開催することになりました。
研究チームで開発した「ジョブスタ」を使って、楽しく職業について考えることが出来ます。
ご興味ある方はぜひ、下記の連絡先からインターカレッジコープさんにお申し込みください!
○開催概要
Webデザイナー、データサイエンティスト、ブライダルコーディネーター …
これらは、少し昔には存在していなかった職業です。
「今の小学生の65%は現在存在していない職業に就く」と予想している研究者もいます。
変化の激しい社会の中で、皆さんは将来どんな仕事をしているでしょうか?
このワークショップでは、これから就活を始める皆さんが将来の仕事を考える手助けをします。
未来の職業を考える「ジョブスタ」を遊ぶ中で、自分では気づいていない「なりたい職業」や
未来に活躍できそうな仕事について考えることができます。
またゲームで使うカードを見ることで、エンジニアやデザイナーといった「職業」がどんなことをするのか、
情報通信や観光といった産業がどのようなことに関わっているのかを知ることができます。
就活を始めようと思っているが、なりたい職業のイメージが漠然としている方に、
オススメのワークショップです。みなさまの参加をお待ちしております!
○ファシリテーター紹介
福山 佑樹 東京大学 教養学部附属教養教育高度化機構 特任助教
早稲田大学人間科学研究科博士課程修了。人が楽しく学ぶにはどうしたら良いのか、ゲームを通して人はどのような学習ができるのかについて研究している。共著書に「職場学習の探究」(生産性出版)など。
藤本 徹 東京大学 大学総合教育研究センター 助教
ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。専門は教授システム学、ゲーム学習論。ゲームと学習に関する研究ユニット 「Ludix Lab」代表。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)など。
○日時
2014 年11 月25 日 (火) 19 時〜21 時
○場所
就活応援ステーション@渋谷
http://tic.coop/org/map.pdf
○申し込み・問い合わせ先
E-mail : career@tic.coop
大学名・学部・氏名・連絡先(メアド、TEL)を記入
※本申込みにおいてご提供いただいた個人情報は、講座申込み確認と連絡事項の用途
以外には使用いたしません。
2014年
4月
05日
土
着任のご報告など
大変、ご無沙汰をいたしております。
4月1日に東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構に、
特任助教として着任いたしました。
今後は業務としては、主に駒場アクティブラーニングスタジオ(KALS)などのアクティブラーニングスタジオの管理運用や、アクティブラーニングによる教養教育,ICT を活用したアクティブラーニングに関する研究に取り組んで参ります。
部門のHPはこちら
着任一週目は、諸々のシステムの利用申請をしたり、設備の使い方を覚えたり…といったことで部門の先輩にありとあらゆることを教えて貰いながら過ぎていきました(中澤さん、ありがとうございます!)。来週からはいよいよ授業も開講となり、スタジオも利用され始めますので、いよいよ本番という感じです。
加えて、本年度は毎月1回、土曜日という変則的な集中講義ですが、
文京学院大学人間学部で非常勤講師として「教育工学」という授業を担当いたします。
初の専門の講義かつ、「教育工学」という名前の講義を私なんぞが担当して良いのかという不安はありますが、こちらも非常に楽しみです。
また、3月には2つほど、嬉しいことがありました。
1つめは、日本デジタルゲーム学会より2013年度学生大会奨励賞を頂いたことです。
前回のブログで募集をした「教師向けメンタリングシミュレーションゲーム『新米先生日誌』の評価」の発表をいたしまして、この研究での受賞となりました。共同研究者の皆様と参加頂いた皆様のおかげです、本当にありがとうございました。
2つめは26日に卒業式があり無事に博士(人間科学)を取得いたしました。
10年間に渡って大学生をしてきたわけですが、終わってみると感慨深いものがあります。
指導教官の森田先生、副査の向後先生、金子先生を始め、博士課程でお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
本ブログですが、fukuyama-lab.netを本格稼働させようかなと思っており、
プロフィール等はそちらに一本化いたしました。
そのうち、ブログの機能も移転するかもしれません。その際はまたご連絡いたします。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いします。
2014年
1月
06日
月
ワークショップ 新米先生日誌 -ゲームでメンタリングを学ぶ- 開催のお知らせ
みなさま、明けましておめでとうございます。
2014年もよろしくお願いいたします。
順調に今年は順調にいけば今月末に博士号が取得できるので、
「旅立ちの年」になるかなと思っております。
さて、1月26日(日)に教員と教職志望の学生を対象としたワークショップ、
「新米先生日誌 -ゲームでメンタリングを学ぶ-」を開催します。
メンタリングとは、「先輩教師の後輩教師への支援」
(授業や学級経営、保護者対応などのアドバイスや指導・励ましなど)のことで、
教員育成の世界で、近年非常に注目されている概念です。
ご興味を持って頂いた方は、下記申し込みフォームの詳細を見て頂ければと思いますが、
本ブログではゲームついて少し紹介したいと思います。
「新米先生日誌」はFOSTの研究補助金で一昨年から始まったプロジェクトで、
教師のメンタリングの専門家と、シリアスゲームの専門家の共同研究です。
このゲームを体験する事で、シナリオに沿う形でメンタリングとはどのようなもので、
何が重要であるのかを楽しく体験する事ができます。
2013年
12月
24日
火
結婚式2次会のゲームを作りました
Tiwtter等ではお知らせしておりましたが、
先日、友人の結婚式2次会のためにゲームを作成しました。
誰かの役に立つかもしれませんので、一応、記録を残しておきます。
なお、作成の依頼は受け付けておりませんので、ご了承ください(笑)
友人である新郎から頂いたオーダーは以下の様なものでした。
・複数人のグループで出来るクイズゲーム
・参加者同士の親睦が深まるとよい
・男女に別々の問題を出して、答えを出すと最終的な問題になるような感じ
とりあえず、「グループでやる脱出ゲーム的なもの」というのが、
イメージされていたもののようだったので、それに沿って素案を考えました。
まず結婚式の2次会参加者が持っている性質を考えると、
「情報の非対称性があらかじめ存在する」というのを生かすのが良いということを考えました。
「新郎・新婦のどんな友人か」で、それぞれが知っていることが違う…ということです。
最初に私が作成した素案は、
・新郎新婦クロスワード
・会場に新郎新婦の写真を掛けて、それを利用したパズル
・上記二つを解くと、何かやるべきことが出てきてそれをするとクリア
というようなものでした。
その後、幹事で議論を行い
「人数規模(60人)」・「スタッフの数(3人)」・「時間の制約(40分)」
・「参加者の目的(ゲームをしに来るわけではない)」・「プレテストが困難」
を考えて確実に運営できる、よりシンプルなものにすることになり、最終的には、
1.新郎新婦クロスワードを解くと、次の指示が表れ、
2.指示に従うともらえる、ジグソーパズルを早く完成させたチームの勝ち
という構成になりました。
クロスワードの作成は、新郎新婦からそれぞれ80語程度のキーワードを貰い、
人生初めての作成でしたが、なんとか作りました。
ここは言語化できるほど、まだこなれてないですね(汗)
制作時間は、本体を手書きで作るのにだいたい4,5時間。
PCでデザインするのに2時間でした。
制作にあたっては、この辺りのサイトを参考にしました。
角田美里のクロスワードパズル作り方講座
http://www.puzzle-crossword.info/sakusei.htm
作ったパズルはこんなかんじ。(個人情報満載なので、問いは消してあります。)
2013年
11月
01日
金
2つのタイプのゲームを混ぜると混乱する?
先日、構造主義と構成主義とゲームということに関して、
ちょこっとツイートをしましたら思いの外反響がありましたので、
今日はそのあたりのことを書いてみようかなと思います。
ものすごくざっくりとした議論をしますので、
「まぁ、そういう面もあるよね」位の気持ちでご覧いただければ幸いですし、
毎度のことですが、「どちらが良い」という話をする気は毛頭ありませんので、
その点、ご承知おきください。
自分で書いてきた記事と重複もあるかと思いますが、
一口に「ゲーム学習(Game-based Learning)」と言っても、
大きく分けて、「構造主義的なもの」と「構成主義的なもの」との、
2つの流れがあるように思えます。
前者は、単純に言えば訓練やドリル学習のような反復訓練型の教材に、
ゲーム的な要素を入れた形態ですね。
ヒットした「英語○け」とか「脳○レ」やその他DSなどで売られている
多くの学習ゲームはこの形態でしょうし。
世の中にある何らかの「絶対に正しいこと」を想定し、
それを教えるためのゲームであれば、
大別すれば、こちらの属性に入るのかなと思います。
また、この流れの中に、多くの「教育のゲーミフィケーション」が含まれると思います。
例えば、何かの課題をクリアすると「○ポイント」で、
それを積み重ねるとバッジがもらえたり、評価が良くなったりするような形態です。
後者は、単純に言えないのですが(笑)、
何か特定領域の知識や技能を得るというよりは、
ゲームを通して経験を獲得したり、なんらかの気づきを得ることを目的にしたような、
目的や構造が比較的ふんわりとしたゲームです。
以前の記事でも紹介しましたが、Silseth(2012)は高校生に、
"Global Conflict"というゲームを実施し、
パレスチナ-イスラエル問題に対する多面的な理解を促すというような実践を行っています。
私のゲームだと、「かってにハッピーエンドゲーム」は、
ポジティブなキャリア観を獲得することを目指したゲームで、
もっともこちらよりかと思われます。
(詳細はこちらの記事を)
今日のお話は、このように何となく日本でゲーム学習というと前者が想定され、
後者は想定されないことが多いということに改めて気づいたということでした。)
私自身が後者のような立場からゲーム実践を行っており、
最近おつきあいがある方も、こちら側の方の考え方の方が多くなっていましたので、
現状を少し見失っておりました。
ビジネスゲームの世界では、(おそらくアメリカにおいて)
70年代・80年代は「学習成果」を目標に実施させることが多かったが、
00年代に入ると「経験の獲得」が最も多くなってきていることが分かっています(Faria et al., 2008)。
その他の領域ではまだまだですが、
少しずつ後者のゲームも広がってきているのではないでしょうか。
本題に戻りますが、ゲーム学習について話す際に、
相手がどちらのゲーム学習を想定しているのかが分からないと、
「スキルや知識を身につけさせたい」と思っているのに、
相手は「ゲームで出来る経験」の話ばかりしている…となったり、
逆に、「未来に生きる経験をさせたい」と思っているのに、
「ドリル」ばかり提案してくる…と、
かみ合わないことになりがちです。(本当はもっとかみ合わないと思います。)
研究者の間でも、ゲーム学習の効果に関するレビューなどでも、
「即時フィードバック」などの前者に関連するものと、
「複雑な問題の解決策を体験によって学べる」など、
後者に関連するものの両方が指摘されていますが、
なかなかゲーム目的や背景に注目した議論はされていないように思えます。
「もっと詳細にジャンルやタイプ別に分けて検討する必要がある」ということも指摘されていますが、
とりあえずは、この2つを区別することから始めると良いんじゃないかなーというのが、
私がかねてより思ってることです。
あまり、オチはありませんが、とりあえずこのあたりで。
2013年
9月
18日
水
教育用ゲームを作る際に気をつけること
みなさま、こんにちは。
博論の合間に今日も少しだけ書いてみようと思います。
先日書きました、「ゲームを用いたイベントを作る際に陥りがちなこと」が、
割合によく読まれているようでしたので、今日は関連して、
「初めて教育用のゲームを作る人が陥りがちなこと」というのを考えてみたいと思います。
お話を伺う際にはだいたいゲーム案のようなものを見せて貰うのですが、
そこでよく見られるあまり良くない傾向として見られるのは、
「全部盛りラーメン症候群」というのがあると思います。
指導教官であった中原先生が今日のブログで使っていたので,表現をお借りしてみました(笑)
これは一言でいうと、1つのゲームに「あれも、これも入れたい」と、
詰め込み過ぎてしまう傾向のことです。
はっきり言ってしまえば、初めてゲームを作る方が、
変数と要素の多いゲームを成立させるのは、ほとんど不可能です。、
調理をしたことないのに、フランス料理のフルコースを独りで作るようなものだと思ってください。
要素が増えれば増えるだけ、参加者が体験することや学ぶことはばらけてしまいます。
「○○にはあれもこれもある」ということを教えたいんだ!
という熱意をお持ちの方もいるかと思いますが、
「あれもこれも」を表現することはかなり困難です。
僕もまだペーペーみたいなものですが、
せいぜい変数は3つ、4つくらいが限界かなと思っています。
このようになってしまう理由はいくつかあり、
1.たくさんのことを体験させたいと欲張りすぎている
2.教えるべき内容をすべて正確に再現しようと思いすぎている
などが多いかなと思います。
あまり時間もありませんので、2番目の方だけ簡単に説明しますと、
現実の状況は極めて多数の要素が絡み合って存在していることが多く、
それを正確に再現するためには多くの変数や要素が必要になります。
ここで、「それを全部入れなければ正確な学びにならない」と考えてしまうと、
全部盛りラーメンを調理せざるを得ないことになります。
ゲームやシミュレーションを用いた学びでは、
「複雑な問題のある側面を強調した形で取り出して学ぶことができる」
ということが研究者によってあげられています。
逆を言えば、このような形でゲームを設計すべきであるということになるでしょう。
正確な問題の体験は、直接体験か何億かかけたようなシミュレーターに譲り、
「問題の強調したい側面」を「出来るだけ少ない変数と要素で表現する」ことが、
まず出発点として重要なことかなと思います。
電車がちょうど着きましたので、今日はこのあたりで。
2013年
9月
14日
土
ゲームを用いたイベントを作る際に陥りがちなこと
一時期、あまり問い合わせがこない時期があり、
なんとなく、一人寂しく思っていたのですが、
夏頃から、またありがたいことに立て続けに2つの団体から、
ゲームについてコメントをお願いされました。
この2件に限ったことではないのですが、
問い合わせを頂く際は「ゲームの企画にコメントが欲しい」ということが多いですが、
実際、お会いしてお話をすると初回のお話では、
なかなか「ゲームそのものの話」に行き着くことは珍しいです。
このあたり、ゲームを活用しようとされる皆様に参考になるかなと思いましたので、
一度、ブログに書いてしまおうかなと思います。
先日掲載された、MY POLICY LABのインタビューにも類似の内容がありますので、
よろしければ、そちらもご覧ください。
【後編】「ゲームで政治を考えよう!ワークショップ」開催レポート
~若きゲーム教育研究者に聞く「ゲーム×政治」の未来~
http://blog.livedoor.jp/mypolicylab/archives/29629039.html
私は「教育用」の「アナログゲーム」を作るのが専門ですので、
その他の領域の方から見ると「何言ってるんだ」と感じられることもあるかと思いますが、
あくまでも「なんらかの教育的な要素を持ったイベントに(アナログ)ゲーム使う場合」…
ということでご理解ください。
また、下記に書くのは、これまで10件以上のお話を伺った感触から導いた
一般的に陥りやすいことであり、特定の案件の改善点ではありません。
先日、開催した「オリジナルな教育ゲームを作るワークショップ」のフレームと
似たところもありますので、こちらも併せてご参照ください。
1.何のためにゲームを使うのかが明確でない
これがほとんど全てなのかなとも思うのですが、
多くの場合、「最近ゲームが流行っているらしい」から、もしくは、
「ゲームにして楽しくすれば多くの方に興味を持ってもらえる」から、
という出発点で、イベントへのゲームの使用を決められることが多いのかなと思います。
これは間違いではないですし、この出発点自体には何の問題も無いのですが、
ここから、「イベントの目的とゲーム」をブリッジする議論ができないと問題になるのかなと思います。
当たり前のことですが、ゲームの中身について議論する前に、まずイベントの趣旨を明確にしておく…というのが重要です。
その結果、ゲームが向いていない内容であるのであれば、素直に他の方法を探した方がよいと思います。
2.「ゲーム前後」の参加者の姿を想像できていない
これも全てのイベントに共通なことだと思うのですが、
なぜかゲームになると見過ごされがちな観点です。
「想定される参加者」に「どのようになって帰って欲しい」のかを明確にしておかなければ、
どんなゲーム構造にするのかを考えることは困難です。
ここまで決まってはじめて、「じゃあ、ゲームで何を体験させようか、どんなルールにしようか」という話が始まります。
私のゲームの場合であれば、「環境問題に多少は興味のある参加者」に「環境問題の持つジレンマを体験して貰い」、「自分の協力が重要であるという意識を獲得して帰って貰う」
というのがここまでの流れになると思います。
毎回言っていることですが、私が考えるにゲームというのも「体験」の1つの形式に過ぎません。ゴールに至るための活動としてゲーム構造を考えるのが正解に近いと思います。
これ以降は、
3.ゲームのバリエーションをしらない
4.テストプレイが足りていない
5.ゲームで全て完結しようとしている(振り返りのデザインが甘い)
と続いていくのかなと思いますが、
今日は、ゲームの内容に入るまでに問題になりがちなことという話でしたので、
この辺にしておこうかなと思います。
まとめると、
ゲームにすると何でもよくなるわけではないので、
普通の体験型のイベントと一緒で、「どんな参加者に何を体験させてどうなって欲しいのか」を明確にし、
「どんなゲームを作るのか」というのを後から考えるべきことである、ということでしょうか。
何かの参考になれば幸いです。
2013年
9月
02日
月
教育工学会29回全国大会
みなさまこんにちは、また最近暑い日が続いていますね。
私は10月末に博論の一時提出を控えており、毎日こちらと格闘しております
さて、私の関係する研究がいくつか教育工学会での発表を予定していますので、
こちらのご紹介と、今年も開催されるワカモノ飲み会のアナウンスをしておきます。
今年の教育工学会は9/20-23日に秋田大学で開催されます。
ワカモノ飲み会は、毎年有志によって運営される、非公式の交流会です。
例年100名程度方にご参加いただいており、
私もここ4,5年ほどスタッフをさせていただいています。
現在、申し込みを受付中ですので、ご興味のある方はぜひ!
お一人の参加でも、帰る頃には知り合いがたくさん出来ていると思います!
詳細、お申し込みはこちらから。
学会では今年は、ここ5年間取り組んで来ました
「社会的ジレンマ体験カードゲーム」の集大成となる発表を、
最終日の課題研究のK9「ゲーム型学習の導入と実践の評価」
というセッションで予定しているほか、
西武台新座中学校のICT教室関係で2件と、ゲーム関係で1件を共同研究として発表予定です。
【SD体験カードゲーム】
社会的ジレンマ状況において複数の役割を体験するカードゲーム教材の効果
◎福山 佑樹 [早稲田大学], 森田 裕介 [早稲田大学]
これまで作成した2つのゲームに導入したルールを組み合わせることで、
より効果は増すのか?という研究です。
これまでの実験に関してはこちらやこちらをご覧ください。
【西武台プロジェクト関係】
環境を主題とした問題解決学習の実践と評価
-ICTを活用した総合的な学習の時間において-
◎重田 勝介 [北海道大学], 中澤 明子 [東京大学], 福山 佑樹 [早稲田大学]
福嶋 俊 [千葉大学], 近藤 麻紀子 [元千葉大学], 牧野 美沙子 [早稲田大学]
中学校向けICT支援型スタジオ教室における授業
総合的な学習の時間の運営状況から
◎中澤 明子 [東京大学], 重田 勝介 [北海道大学], 福山 佑樹 [早稲田大学]
福嶋 俊 [千葉大学], 近藤 麻紀子 [元 千葉大学], 牧野 美沙子 [早稲田大学]
一人一台iPadを持つICT教室を昨年度1年運用しての成果の報告です。
西武台のICT教室に関しては、こちらなどをご覧ください
【メンタリングシミュレーションゲーム】
メンタリング能力向上を志向したシミュレーションゲームの開発
ー初任教師のエピソードに基づいてー
◎脇本 健弘 [青山学院大学], 福山 佑樹 [早稲田大学], 浅見 智子 [日本アイ・ビー・エム], 五十嵐 唯 [早稲田大学]
こちらは昨年度よりはじめた小学校での教員メンターを育成するためのゲームの開発です。
学府OBの浅見さんにイラストを描いていただき、早稲田の学部生の五十嵐さんにゲームのメインを作って貰いました。
近いうちに、こちらもお披露目出来るのではないかと思います。
それでは、秋田でお会いしましょう!
2013年
5月
30日
木
対人援助のためのグループワーク2 作品解説
みなさま、こんばんは。
本日5月30日に私の作ったワークも4つ収録された、
「対人援助のためのグループワーク2」が誠信書房より発売になりました。
この本はグループワークブックということで、特にコメントやワークの解説などを、
書く場所はありませんでしたので、ブログの方に作品解説などしてみようかなと思います。
2013年
5月
24日
金
「かってにハッピーエンドゲーム in 広島」 開催報告
だんだん暑くなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は先週末(5月18日・19日)に広島で開催いたしました、
「かってにハッピーエンドゲーム in 広島」のご報告をいたします。
このイベントは広島国際青少年協会との共催で行われ、
高校生・大学生あわせて約20名の方にご参加いただきました。
青少年協会の皆様、参加者の皆様ありがとうございました。
2013年
5月
05日
日
5月の諸々のお知らせ
こんばんは、早いもので4月が終わりました。
例年、年度初めはバタバタしてあっという間に過ぎていきますが、
今年もそんな感じだったような気がします。
さて、5月の週末は各地での学会やイベントに参加しますので、
そのご報告をしようかと思います。
来週末は、友人の結婚式とテニスの試合ですがそれは関係ないとして(笑)
5月18日~19日は広島で「かってにハッピーエンドゲーム」の実践をしてきます。
これは、後輩のキムミツくんが活動している、広島国際青少年協会との企画で、
初日は高校生向け・2日目は大学生向けに実施をします。
ニュースを見てもポジティブな話題はほとんどありませんし、
若い世代に対するネガティブな言説も多く、
高校生や大学生は自分のキャリアに対して、
ポジティブな意識を持ちづらくなっていると思われます。
また、個人的な話ですが、年上の方とのキャリア相談は、
どうも素直に聞けないということもあります(笑)
このゲームは、「同世代同士で気楽にキャリアの話をする」ためのゲームです。
学術的な狙いは実施後にということで。
イベントの詳細・お申し込みは下記ページから!
http://hiroshimayouth.sblo.jp/article/65721774.html
このゲームのプロトタイプは2011年に行われました、「経験のRemix」で作成されました。
その後、某大学での実践を経て、グループワーク用に改訂をし、
このたび再び高校生・大学生用にリメイクいたしました。
経験のRemixの様子はこちらの「プレイフルラーニング」などに詳しいです。
グループワーク用に改訂をした「勝手にハッピーエンディング」は、
こちらの本に収録されます。
イベントも間近ですので、しっかり準備をして参ります。
2013年
4月
22日
月
100の何かに触れること(アナログゲーミング研究会を終えて)
みなさま、こんばんは。
新しい年度になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私は今年は博士課程3年になり、色々と勝負の年になりそうです。
さて、つい先日ですが2011年の4月から続けてきた、
アナログゲーミング研究会が第一期を終えることになりました。
会場とゲームを毎回提供くださった、カレイドソリューションズの高橋さん、
本当にありがとうございました。
さて、この研究会ですが、後半は頻度が減りましたが、
原則隔週で2,3種類のアナログゲームを体験しました。
年20回×2.5ゲーム×2年で、およそ100作のゲームに触れたのではないかと思います。
本ブログでも最初の頃は、毎回体験したゲームを載せておりました(笑)
100作経験したおかげか、最近は何か依頼があった時や、
何か新しいゲームを構想する時に「○○」っぽくしようという様に発想できるように、
なってきたような気がします。数は重要ですね。
この100という数字を見ると、修士課程での初期の研究発表で指導教官の中原先生に、
「100の論文に触れれば、だいたいその分野のことが分かる」ということで、
2ヶ月ほどで「100本(半数は英語)」読んだのを思い出します。
分野にも寄るかとは思いますが、他の先生も同様のことを仰っていたので、
おそらく、理にかなった数字なのでしょう。
皆様も、もし何か一通り分かる、出来るようになりたいということがあれば、
「100」何かをしてみるというのが重要なのかも知れません。
最後にちょっとだけ、学者っぽいことをいうのであれば、
その際に熟達をしたいのであれば、「楽しかったで終わらさず」に、
きちんとディブリーフィングやリフレクションをすることや、
適度な難易度やフィードバックを伴った、「よく考えられた練習」(エリクソンら,1993)
にするのが重要なのではないかと思います。
アナログゲーミング研究会でも、ゲーム後に、
「これは何を模しているのか」、「このルールは何に使えるか」ということを、
議論したり、個人的に帰り道に考えたりしていました。
今後の展開ですが、今回得られた知見を共有するために、
「教育関係者向け アナログゲーム体験ワークショップ」
か何かを6月頃にやってみたいかなと思っています。
またアナウンスいたしますので、ご興味あればご参加ください。
2013年
3月
03日
日
「体験型ゲーム×学び ワークショップ」を終えて
昨日、3月2日に東京大学で「体験型ゲーム×学び ワークショップ」を開催いたしました。
現在、明日から開催されるデジタルゲーム学会に向けて移動中です。
とりあえず、私の笑顔で良い会だったことはお察し頂けるかと思います(笑)
本ワークショップは、NPO法人Educe Technologiesの研究ユニットである、
"Ludix Lab"の主催で行われました。
Ludix Lab Facebookページ
https://www.facebook.com/LudixLab
大学生・人材育成関係者・謎作家の方など幅広い属性の方にご参加頂きました。
ご参加頂きました皆様、誠にありがとうございました。
2013年
2月
10日
日
非日常にゆきてかえること
ここ数年、非日常系の学びが流行っているように思えます。
(私も体験型ゲームという非日常で何が学べるか…というワークショップを来月開催します。
詳しくはコチラ。)
不思議なる 国をさまよい
長き日を 夢見て暮らす
つかのまの 夏は果てるまで
金色の 夕映えのなか
どこまでも たゆたいゆかん
人の世は 夢にあらずや
(「鏡の国のアリス」より 脇明子訳)
アリスは不思議の国と(しばらく後に)鏡の国を旅して、最後には帰って来ます。
最後の詩を引用したのは私が好きだからで深い意味はありません(笑)
このように、主人公が世界を非日常の世界を冒険して、何かを達成して帰ってくる、
というのは物語のストーリーの王道ですね。
年始に映画「ホビット」を見たのですが、
原作のタイトルは「ホビット-ゆきてかえりし物語」です。
このタイトルを見て非日常には「行って帰ってくる事って大事だよね」という、
アタリマエのことを、ふと思ったので今日はこの話でも。
ホビットでは主人公のビルボ・バギンズが、
Bag End(袋小路屋敷)というところでのんびり暮らしていたところ、
魔法使いガンダルフに旅につれて行かれ、色々ありつつも、
最後には屋敷に帰ってきて終わります。
(バギンズって、住んでる場所の名前に関係があったのかと、
これを書くために知りました/笑)
映画の中で面白かったのは、つれて行くガンダルフは、「無事に戻れるか?」と聞くビルボに、
「約束はできないし、戻れても元のままではいられない」というんですね。
ビルボは無事に帰ってきますが、やはり「元のままではいられず」に、
ホビット庄(シャイア)では変わり者扱いになります。
某先生の言い回しを借りれば、文字通り「川を渡っちゃったヤツ」です(笑)
とはいえ、ホビットで唯一世界を見て帰って来たビルボは、貴重な存在であったでしょう。
このように「非日常の世界」では、元の自分を変えるくらいの出来事が体験できることもあります。
ここで、私がなんとなく考えたことは、
現実世界においても、「非日常で特殊な経験をしても帰ってこなきゃダメだよね」という話です。
ファンタジーメタファーで語るなら、そこには、
・面白い登場人物(参加者・講師)がいて
・心躍らせるような冒険(活動)があり
・見たことも無い宝物(成果)
があるかもしれません。
でも、のめり込みすぎてしまって、
・「俺の事は気にせず先に行け状態」(行ったきりそこで討ち死系)や
・「冒険者のころはよかったおじいさん」(日常では非日常を懐かしむだけ系)
になっても困りますし、
また、
・「夏休みが終わったらいつもの、のび太くん」
(非日常(映画版)では強いけど、学校始まると元通り系)
でも困ります。
冒険をして、成長をして、宝物を手に入れるけど、立派に帰ってくる。
返って来た自分は、かつての自分ではないけれども、
それでもホビット庄(日常)でもちゃんと暮らせる。
ビルボ・バギンズの物語は良い「非日常系の学び」良いメタファーになるのかもしれません。
まとまりがありませんが、とりあえずこの辺で…。
2013年
2月
07日
木
「体験型ゲーム×学び ワークショップ」 開催のお知らせ
こんばんは。
本日は3月2日(土)に東京大学本郷キャンパスで開催する、
「体験型ゲーム×学び ワークショップ開催」のお知らせです。
開催概要は下記の申込みフォームをご覧頂きたいと思いますが、
個人的な主催者としての思いを下記に書きたいと思います。
近年、体験型の学習手法に注目が集まってきており、
ゲームの領域でも「リアル脱出ゲーム」など体験型のコンテンツがありますが、
「体験型ゲーム」の持つ可能性についてはあまり論じられていないのが現状です。
今回のワークショップでは、私もアドバイザーとして参加しました
「別れの教室」という体験型謎解きゲームにご参加頂いて、
その後、「体験型ゲーム」の持つ可能性について議論したい思っています。
以前行われました、ゲームの様子はコチラのページでご覧いただけます。
http://www.hashimoto-lab.com/Projects/pj-real
(ネタバレ等はありませんので、安心してご覧ください/笑)
・脱出ゲームに関して思うところに関しては、コチラの記事で。
・「別れの教室」に関してはコチラの記事に書いています。
新しい学習手法としての「体験型ゲーム」というものを考えてみたい方に、
ぜひお越し頂ければ幸いです。
2013年
1月
22日
火
たまには社会的ジレンマの話でも…
みなさま、こんにちは。
年明けから早くも20日ほど経過してしまいましたが、
今年最初のブログを書きたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。
さて、私の専門はゲームを利用した教育や学習ですが、
「社会的ジレンマ」を体験して学習するゲームを修士・博士研究として進めています。
これまで一度もこちらのジレンマの方について語ったことがないように思えましたので、
今日はこの「社会的ジレンマ」について書いてみます。
(純粋な?社会心理学者というわけではありませんので、
もし間違いがありましたらスミマセン…。)
社会的ジレンマというのは固い定義でいうと
1. 集団の成員は、それぞれ協力または非協力のどちらかを選択できる。
2. 各成員にとって、非協力の選択は、協力の選択よりも大きな利益をもたらす。
3. しかし、全員が非協力を選択した際に得られる利益は、全員が協力を選択したときに得られる利益より小さい。
(Dawes,1980)
ということです。
もう少し柔らかくいうと、
「協力してもしなくてもいいし、しない方が自分にとっては得なんだけど、みんなが協力しないと困ったことになる」
というような状況です。
ここで、ある中学校の栽培委員を想定してみます。
この委員では生徒が植物を尊ぶ気持ちを養うために、
担当制では無く「その日にできる人が植物の世話をする」というルールになっています。
ただし、植物を枯らしてしまった場合、委員全員が先生に怒られ内申は悪くなります。
この状況においては、
「世話をするかどうか(協力するか)」を選択でき、
「世話をしない方が自分にとっては楽(得)であるが」
「みんなが協力しないと悪い結果(内申の悪化)」につながるという点で社会的ジレンマがあるといえます。
この委員会には、A~Eくんの5人が所属しており、
Aくんは誰も世話をしなそうな時は必ず世話をする協力的な人物で、
B~Dくんは協力したり、しなかったり…という人物であり、
Eくんは、めんどくさがりで基本的には協力しない人物であるとします。
(こんな状況世の中には沢山ありますよね?)
もしあなたがAくんで、自分だけが不利益を被っている状況を改善したいと感じた場合、
いったい、どうしたら良いでしょうか??
完璧な答えはありませんが、良かったら考えてみてください。
…
1つの選択としては、先生に働きかけて担当制を導入するという方法があります。
委員会の教育目標は達成できなくなりますが、とりあえずみんなもやらなければいけないという日を作ることで、
協力を引き出すことができるかもしれません。
(この場合、制度の導入によるコストや、「2次的ジレンマ」という問題が発生しますが今回は割愛します。)
他の選択肢としては、B~Eくんに協力の重要性を訴えかけることで、
協力行動を取ってもらうという方法もあるかもしれません。
ただ、この方法が「人の心を動かす」方法であるため、困難なことは何となくお察し頂けると思います。
委員会の制度を変えて問題を解決する方法を「構造的方略」、
個人の心に訴えかけて協力行動を取って貰う方法を「心理的方略」と呼びます。
(詳しく知りたい方は下記の本などをお読みになられると良いかもしれません。)
リンク:社会的ジレンマの処方箋
どちらかということではなく、問題を解決するにはこの双方が重要です。
先に書きましたとおり、「こうすれば良い」というような絶対の解はこの問題にはありませんが、
一つ重要なことがあります。
それは、あなたがAくんのような立場だった場合、
「いつか彼らも分かってくれる」と考えて、
一方的に協力行動を取ることでは問題は解決しないということです。
世の中の一定数の人(Eくん)は、「協力しない」ということが知られており、
そういう人に「搾取」される構造を作るだけです。
(罰ゲームがあるジャンケンで、あなたが絶対に「グー」しか出さないことが知られていたら、
相手はどうするでしょうか?)
理想をいえば、きちんと協力しない場合のデメリットについて全員が認識をし、
「協力する方が実は合理的である」という「社会的な賢さ」が組織で広まるように、
努力をする…ということが大切なのかな…と思います。
(もちろんこれも苦難の道ですが…)
特にオチはないのですが、たまには社会的ジレンマの話でもしてみるか、ということで。
2012年
12月
31日
月
2012年の終わりに
みなさま、こんにちは。
2012年もいよいよ最後の日となりました。
私は28日に仕事を納めたのですが、その日に風邪をひくという悲しい年末になりましたが、
なんとか昨日には回復しまして、コンサートと小学校の同窓会に行ってきました。
私の今年の漢字(目標)は、「選」だったのですが、
まったく選ぶこと無く1年を送り、12月になってやっと来年に何を残すかを選び始めました。
来年は(順調にいけば)博論執筆の年ですので、より一層その他の活動は厳選して取り組んでいきたいです。
今年は研究的には、
「社会的ジレンマゲーム(環境問題)研究その2」が論文投稿まで。
「 〃 研究その3」が実戦終了まで、
「組織市民行動ゲーム」 がまもなく投稿段階まで、
その他、共同研究もいくつかお誘いを頂き、充実した1年でした。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございます。
その他では、
・共著の書籍「職場学習の探究」の発売
(来年もちょっと書いた本が出ますのでお楽しみに?)
・「ゲーム×教育」に関するお仕事(制作・講演)を頂くようになった
・大学での非常勤講師
など、色々と動きのあった一年でした。
来年も(博論を中心にしつつも)面白いことに取り組みたいですね。
とりあえず、修論の際には腰痛になったので、
そのあたりのケアは万全にして来年を乗り切りたいと思います。
それでは、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
良いお年を!
2012年
12月
17日
月
会計を学ぶビジネスゲーム「The Libra」テストプレイ開催
12月28日(金)に私が研修・教育コンテンツ開発を行うコンサルティング会社と開発している、
会計・経営を学ぶためのビジネスゲームのテストプレイを行います。
テストプレイですが、ほぼ最終テストのため、完成状態に近いゲームを体験頂けます。
一般公募での体験はこれがおそらく最初で最後になると思われますので、
年の瀬ですがご興味ある方はぜひご参加ください。
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◇日時: 12/28(金)13:00-17:30(予定)
◇ファシリテータ:
早稲田大学 大学院 人間科学研究科 福山佑樹
◇場所: 恵比寿
◇参加費: 無料
◇持ち物: 筆記用具、電卓(携帯電話・スマホの電卓でOK)
◇こんな人にお勧め!
・就活前に会社の仕組みや会計の基本構造を学んでみたい学生の方
・経営や会計を学ぶきっかけが欲しい社会人の方
◇募集人数
12名程度
(最少催行人数4名)
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ゲームの概要
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~ ある日、あなたの前に男が現れた。
男が言うには「ある方」があなたを欲しいと言っている、とのこと。
そし男はあなたに大金を渡した。
「ただし条件がある。ライブラを製造・販売する事業を経営しろ!
うまく経営して競合チームよりも事業を大きくすれば、
あなたは王になる資格を得る・・・。」~
これがビジネスゲーム「The Libra」の始まりです。
この国には王が必要です。
与えられたお金で工場を経営して王を目指してください!
原材料を調達して生産、そして販売価格の決定に取り組む中
市場の需要、競合の動き、キャッシュは十分か、
考えなければいけないことはたくさんあります。
企業でお金がどう流れるのか、
うまく経営するには何に気をつけなければいけないか
ぜひゲームを楽しみながら気づきを得てください。
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■参加条件
1.今回は属性での制限は特にありません。
2.Web上にゲームのルールを含んだ感想を記載しないこと
3.本テストプレイで知り得た情報を元に、類似のゲーム等の開発を行わないとお約束いただけること
上記をお読みになった上で、すべてにご同意いただける方は、
下記のフォームからお申し込みください。
お申し込みをいただいた方には、fukuyamayuki[atmark]gmail.comより、
詳細をご連絡いたします。
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2012年
11月
30日
金
「オリジナルな教育ゲームを作るワークショップ」が開催されました
オリジナルな教育ゲームを作るワークショップ開催報告
本日は、11月25日に東京大学で開催されました、
「オリジナルな教育ゲームを作るワークショップ」の開催報告です。
2012年
11月
28日
水
体験型ゲームのアドバイザーを終えて
Twitter等では何回も告知いたしましたが、
11月10,11日に瑞木祭@産業能率大学で開催された、
橋本研究室の「別れの教室」という体験型ゲームにおいてアドバイザーをしておりました。
このプロジェクトは、Twitterで橋本先生にお声かけを頂いて参加させて頂いたもので、
僭越ながら"ゲームの専門家"というポジションからアドバイスをさせて頂きました。
2年生だけのゼミでこのようなイベントを運営するということで、
ゼミ生も先生も、おそらく非常に苦労されたことと思いますが、
4回中3回の公演で満員となるなど、無事に成功を納めました。
(私の目から見てもなかなかレベルの高いものになったと感じます。)
私にとってもとても貴重な経験になりましたので、振り返りをしたいと思います。
改めて思ったのは、運営のロジスティクスに関して、
やはりプロである「リアル脱出ゲーム」はすごいなということです(笑)
下記の記事にも少し書かれていますが、数十人の参加者に対して、
数名のスタッフでの絶妙なファシリテートによって、
・ほぼ全グループを最後の問題まで導く
という難しいことを成し遂げているという点は、
素晴らしい技術でここはファシリテート初心者の学生ではかなわない点でした。
(ぜひ、より技術を磨いて欲しいと思います。)
体験型エンタテインメントの市場を広げる方法とは?事例から探る SIG-ARG04レポート
今回一番アドバイザーとして強くコメントしたことは、
「全ての活動(や発言)」に「ストーリー上」での意味を持たせるということです。
ここは以前のブログで書きましたがリアル脱出ゲームの「惜しいな」と思った箇所で、
この「活動とストーリーの接続」に関しては不十分とはいえ達成できたことは収穫でした。
リアル脱出ゲームを体験してきました
アドバイザーというポジションから難しかった点は、
「自分の"良い"と思ったこと」をどのくらい・どうやって伝えるのかということでしょうか。
このあたりは、ゼミの学部生との研究相談でも日々思うことですが、
"最終的に自分が責任を負えないこと"に、"自分の趣向かも知れないこと"を、
どの程度反映させて良いか、ということはいつも悩みます。
特に「活動とストーリーの接続」について、上手く教えきれなかったことは私の課題でした。
さて、この「体験型ゲーム」ですが、
私は経験型の学習手法としても、効果的な面があるのではないかと考えています。
「体験型ゲーム」はどんな理論に紐づけられるのか、どんな学習を行う際に効果的なのかを、
ぜひ一度議論する機会を設けたいなと思っています。
来年の2月頃に、この「別れの教室」を体験してもらい、
その後、「体験型ゲームの学習活用」について考えるイベントを開催する予定ですので、
ご興味のある方は続報をお待ちください。
今回、改善点として残った箇所が改善されるかは、こうご期待!ということで。
それでは。
2012年
11月
20日
火
"ゲーム"と"教えること"
修士時代の指導教官である中原先生のブログを読んで、
感じたことがありましたので、私も便乗して?更新してみます。
リンク:NAKAHARA-LAB.NET
先生のブログの内容を一言で(乱暴に)まとめると、
「『教えること』や『知識を伝えること』が意味が過剰に軽視されていないか」
という事だと思います。
私も、「『知識習得』はゲームにあまり向かないのでやめましょう」と、
これまで各所で述べてきていますので、ブログに出てきたような、
「『知識伝達』はいけないことなのでしょうか?」というようなお話をされたことがあります。
ゲームで学ぶ手法というのは、「現実での経験学習」に比べると、
・重要な項目を抽出できる
・現実では体験困難な状況を体験できる
などのメリットがありますが、
それでも「講義」に比べると「時間がかかる」手法であることは間違いありません。
言葉で伝えれば「一言」かつ「数秒」で済むことを、
ゲームの場合数時間かけて実施することも良くあります。
近年、主に大人の学びの中で「気づき」という用語が流行しています。
ゲームを用いた研修などではこの「気づき」が重視されています。
「気づき」というのに明確な定義があるのかは知りませんが、私の理解では、
「ある現象の本質を理解する」「既有の知識や経験となにか(理論)の関連性を見つける」
などの意味で「気づき」ということばが使われているように思われます。
なんの理論的な背景もないですが、
「知らないことを気づく」というのはかなり難しいことでしょう。
「ある『学習』によって、既に知っていたことを自分のものとして再配置すること」
これを起こすには「既に知って」いないとできないということはいうまでもありません。
私の立場から言わせて頂きますと、
「知識習得は知識習得でなんとか上手くして頂いて、ゲームではゲームでできることをやりましょう」
ということですね(笑)
(「知識習得を上手くする」ためにゲームの仕組みを用いる…という手法もありますが、
今回は置いておきます)
それでは、今日はこの辺で。
2012年
11月
02日
金
オリジナルな教育ゲームを作成するワークショップを開催します!
こんばんは。久しぶりに連日更新してみます。
本日は11月25日(日)に東京大学で開催する、
「オリジナルな教育ゲームを作成するワークショップ」のお知らせです。
詳細は下記の申込みページを見て頂ければと思いますので、
私からの開催の思いだけこちらのブログに書いておきます。
近年、ゲームを使った教育に関心が高まっていますが、
実際に教育用のゲームを作成できる方が少ないという問題があります。
これには2つの問題があると思います。
1.多くの教育関係者がスゴロクや人生ゲーム以外のアナログゲームを知らない問題
2.ゲームを作るって何をすれば良いのか分からない問題
1は「知らないものは作れない」という問題ですね。
これに関しては実際に様々なゲームに触れてみるしか無いというのが現実ですが、
世の中には、ボードゲームのカタログという面白い本もありますので、
少しこちらを見て頂いてイメージを付けて頂く、というのが良いかもしれません。
2は「ゲームを作る」ってそもそもどうすんの?という問題です。
今回のワークショップはこちらの方に焦点を当てています。
「教科や単元に対する教えたいこと」をどうやってゲームにするのか?」
今回は私と東大の池尻さんという、教育向けのゲームを作成している研究者が、
ゲームの作り方をレクチャーし、試しに1つグループで作ってみましょうというWSです。
大変申し訳ないのですが、今回は少人数のWSということで現役教員の方と、
教員志望ないし、教育研究者志望の学生さんのみを対象とさせて頂きます。
今回は、私たちと一緒にないし、私たちの後に、
「教育×ゲームの研究や実践」を続けてくれる方を探す(作る)、
という意図も(若干?)含まれています。
教育×ゲームに関心のある、教員ないし学生のご参加を強く願っております。
また、今回は学生のボランティアスタッフも若干名募集しております。
スタッフを希望される場合、お申し込みの際にその旨をご記入ください。
※ボランティアスタッフの募集はいったん終了しました。
それでは、25日に東大でお会いしましょう。
お申し込みは下記ページからです。
2012年
11月
01日
木
ゲーム≠ゲーミフィケーション
みなさま、ご無沙汰をしております。
昨日の夜中に書いたツイートに、思いの他反響があったので、
先日、東京富士大学の研究会に呼んで頂いた時の講演内容と合わせて、
今更ですが、シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いについて、
少し書いてみたいと思います。
シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いは、
ゲーミフィケーションは「ゲーム」では無いということです。おしまい。
となると、怒られると思いますので、もう少しちゃんと書いていきます。
シリアスゲームとは、
「教育をはじめとする社会の諸領域の問題解決のために利用されるデジタルゲーム」(藤本 2007)
のことで、ゲームジャンルであり、ゲームの活用法の一形態です、
一方、ゲーミフィケーションは、
「ゲーム以外の領域で、“何らかの目的”のためにゲームの要素を活用する手法」
であり、あくまでも「ゲームそのもの」ではありません。
なので、間違って頂きたくないのは、
私は諸々の「シリアスゲーム」を作っていますが、
ゲーミフィケーションは今のところはしていないということです(笑)
その他、シリアスゲームとゲーミフィケーションの違いとしては、
【前提条件の違い】【影響を受けているゲームの違い】【背景理論の違い】
などがあります。
例えば、シリアスゲームは、コンシューマゲームのデザインに影響を受けていますが、
ゲーミフィケーションはソーシャルゲームのデザインに影響を受けています。
(あくまでも、多くのという話ですが…)
その他、講演では「ゲームフル」と「ゲーミフィケーション」の違いにも言及しましたが、
今回はそれは割愛しておきます。
おそらく、これを読むであろう多くの「ゲーム」や「ゲームの要素」を使って何かをしたいという方は、
これらの用語の細かな差異に気をつける必要は無いと思います。
井上明人さんが仰るように、「ゲーミフィケーション」という流行は、
ゲームの力を社会に活用しようとする何度目かの波です。
よって、「ゲームネイティブ」が増え、ゲームという言葉の受け取られ方が変わってきた今、
“ゲーミフィケーション”というワードが消えても、
“ゲームの力”を世の中に生かすメリットや流れは消えはしないと思います。
私が最後に言いたいのは、とはいっても、
“ゲームを作る”ことと、“ゲームの良さを何かに取り入れる”ことは、
異なるのでそれだけは留意して欲しいということです。
2012年
9月
06日
木
リアル脱出ゲームを体験してきました
※2013年3月2日に体験型ゲーム×学びのWSを東大で開催します。
2月15日まで受付中。詳しくはコチラで。
先日、リアル脱出ゲームに参加をしてきました。
恥ずかしながらゲーム(と学びの)研究者の私ですが、
これまで名前はかねがね伺っていても、実際に参加したことが無く、
産能大の橋本先生にお誘いを頂きまして、とうとう参加してきました。
もちろんネタバレなどという無粋なことはしませんので、安心してお読みください(笑)
(そのちょっと前に、予習もかねてドームシティのイベントにも参加してきました)
私が参加したイベントはこの2つです。
・リアル脱出ゲーム×金田一少年の事件簿「からくり館からの脱出」
・ヱヴァンゲリヲン 消えたパイロットの謎 in 東京ドームシティ アトラクションズ
2つのイベントはなかなか毛色が違いますので、
今回は前者のいわゆる「リアル脱出ゲーム」について考察します。
まず、1個人としての私の感想としては、
「時間制限の中で必死に謎を解く」という経験はとてもスリリングで楽しかったです。
終了後、重要な試験の後のようにぐったりしたのが、印象的でした。
残念ながら、最後の謎を解くことができず脱出することができなかったのですが、
また別の機会にリベンジしよう!と思わせられるくらい「悔しい」とも思いました。
全体的に大満足だったといえます。
次にゲームと学びの研究者としての立場での感想です。
「リアル脱出ゲーム」は学びのために作られたゲームではないこと、
私が参加したことがあるのはわずか2つのイベントであるため、
もしかしたら他のイベントはそうではない可能性があることを踏まえてお読みください。
「学び」という観点から見ると、体験した「リアル脱出ゲーム」は、
一般的な「パズル」の組み合わせ以上のものでは無かったように感じました。
そう感じた理由はやはり「解いているパズルの内容」と「カバーストーリー」の関連性が薄いということでしょうか。
今回参加した、ゲームには犯人を捜すというストーリーに関連した要素や、
設定に関連するパズルも少しありましたが、
全体的には既存の様々な種類のパズルを短時間で大量に解くというものです。
結果、「題材に対する気づきや知識」はほとんど得られませんでした。
おそらく、リアル脱出ゲームは文脈性を排することで、
誰もが平等に解くことができるゲームを作成しているのだと思いますが、
学びのための脱出ゲームを作成する場合、「文脈性」がキーポイントになると思います。
ゲームでのストーリーと、活動や内容を一致させるないし、関連づけるだけで、
リアル脱出ゲームは、学びのための良いツールになるでしょう。
まだちゃんとは思いついていませんが(思いついたら作ります/笑)。
・ストーリーにあった行動を取ることがキーになるようなパズル
・解く中で文脈を理解できるようなパズル
・ストーリーをさらにメタに見るようなパズル
などを盛り込み、1つ1つの活動がストーリー上でどんな意味があるのかを、
しっかりと付けていけば良いのかなと思いました。
リアルタイムゲーム特有の強力な没頭感を上手く使えれば、
本当に良い学びの方法になり得ると感じます。
ともかく、楽しかったので、
まだ興味があったのに、参加したことの無いみなさまは、ぜひ一度体験してください!
私はもう一度必ずリベンジに行くと思います(笑)
2012年
9月
05日
水
JSET全国大会での予定
まだまだ暑い時期が続きますが、みなさまお元気でしょうか。
今年も9月15日(金)~17日(日)まで長崎大学で教育工学会全国大会が開催されます。
昨年の発表は、ありがたいことに数多くのみなさまにお聞き頂くことができました。
私の関係する教育工学会での諸々をお知らせしておきます。
私は今年も最終日17日(月)の課題研究という時間帯の、
[K9] ゲーム・シミュレーションを利用した教育・学習支援というセッションにおいて下記の題目で研究発表をいたします。
"社会的ジレンマの長期的影響を体験し規範意識を獲得するカードゲームの開発"
この発表では環境問題に対して狭量行動を取るための規範意識を獲得するために、
開発したゲームの内容と予備実験の結果を報告する予定です。
既に本ブログで告知いたしましたとおり、本実験も既に終了しておりまして、
現在データの分析中です。こちらの結果もいずれご報告したいと思っております。
研究発表以外に今年度は2日目のお昼に開催されます、
ワークショップという時間帯で東大の木村くん・北九大の見舘先生が主催する、
「経験型学習において学生の学びをいかに支援するか」
というワークショップを共催(おてつだい…と読む)する予定です。
こちらもぜひよろしくお願いいたします。
2日目の懇親会の後には私も幹事としてお手伝いさせて頂いている、ワカモノ飲み会があります。
こちらには100名を超える皆様からのお申し込みがありました!
ご参加のみなさまと当日お会いするのを楽しみにしております。
共同研究では、東大の重田先生・中澤先生と一緒に行っている、
西武台新座中学校のSaclaというアクティブラーニング教室での実践についての報告が2報あります。こちらは2日目にポスター発表です。
"中学校向けICT支援型教室空間の利用形態"
"中学校向けICT支援型学習空間での授業に関する教員へのインタビュー調査"
西武台のプロジェクトは8月に2学期以降の授業準備を中学校の先生方と一緒に進めまして、
いよいよ明日から2学期の授業が開始されます。
それでは、また。
2012年
7月
17日
火
ゲームの教育利用について思うこと
みなさま、こんばんわ。
先日、千葉大学の藤川大祐先生のゼミで特別ゲストとして
「ゲームの教育利用」についてのお話をさせて頂きました。
本来のゼミの時間では都合が合わなかったため、ゼミの時間では無かったにもかかわらず、
藤川先生をはじめとして20人程度の方にご参加頂き、とても貴重な時間を過ごせました。
そのゲスト講義の最後に「ゲームを利用した授業案」を考えるプチワークを実施しました。
今日はワークの準備をしている際や最中に、私がゲームの教育利用に関して考えたことを書きたいと思います。
ゲームを教育に利用する場合、最も重要なことは、
「それが本当にゲームである必要があるか」を考えることだと私は思います。
ゲームを教育現場で利用する場合の注意点として先行研究で上げられているのは、
1.十分なプレイ時間を確保すること
2.リフレクションの時間を十分に取ること
3.教師などファシリテーターの役割は極めて重要であること
などがあります。
簡単に一言でまとめますと、
「ゲームを利用した学習は座学に比べて時間も手間もがかかる」ということです。
まずゲームを利用した学習では、「操作方法を覚える時間」が余分にかかります。
プレンスキー(2009)が著書で指摘していることですが、ゲームを利用した学習では、
まず、基本的な操作方法やゲーム内での戦略という学習段階を超える必要があります。
ゲームに難易度にもよりますが、おそらくこれには最低1時間、
ゲームに不慣れな学習者であればもっと時間がかかるでしょう。
では、この導入の時間の長さを超えてゲームを教育に用いる理由はどこにあるでしょう。
プレンスキーの説によれば、例えば「(ゲーム内の)文化的価値観」や「価値観や倫理的な判断」をゲームによって学ぶことが可能になります。
Silseth(2012)の研究では、生徒は「Global Conflic」というゲームを利用することで、
パレスチナ-イスラエル問題において様々な経験をし、多面的な見方を獲得することが可能になっていました。
しかし、全てのゲーム学習がSilsethの事例のように成功するわけではありません。
彼の実践でも、私の考えでも重要になるのは「リフレクション」と「ファシリテーターのサポート」です。
ゲームにおいて、「リフレクション」は極めて重要な要素になっています。
振り返られることのないゲーム経験はおそらく、現実の世界とは関連付かず、
「ゲーム内での知識や経験」で終わってしまいます。
ファシリテーターが時には偏った(誤った)概念理解を指摘したり、他者のゲーム経験を統合することで、ゲームは大きな効果を上げることができるようになります(Egenfeldt-Nielsen et al. 2008)。
初めに戻りますが、このような大変さを乗り越えてでも、
そこに「ゲームを利用して学ぶべきこと」があるのであれば、積極的にゲームを利用すべきだと思います。
(私は特に現代的な問題を学習する際にはゲームは極めて効果的であると思っています。)
しかし、安易にゲームだから楽しく学べるだろうといって、
「(複雑なゲームを)短時間やらせたり」、「リフレクションをしなかったり」、「サポートをしなかったり」すれば、
ゲーム利用はおそらく上手くいかないだろうということは留意して頂けると良いと思います。
電車が駅に着きましたので、今日はこの辺で。
2012年
5月
25日
金
環境問題をゲームで体験して考えるワークショップ2012
早稲田大学院人間科学研究科博士課程2年の福山佑樹と申します。
現在、研究として環境問題を体験して学ぶためのカードゲーム「The irreplaceable Gift」の開発をおこなっておりまして、このたび大学生を対象に評価のためのワークショップを行うことになりました。(一部日程は大学院生も可)
開催日程は、6月9日,30日の土曜日です。
2010年に開発したゲーム「Connect the World」の実験の際は、
40名以上の方にご体験いただき、ゲームの面白さや学びに関して高い評価を受けました。
参加を希望される方はページ下部のフォームよりお申し込みください。
<ワークショップとゲームの内容>
環境問題に対して、自分を含む個人の行動がどのように影響しているのかを体験することで、
自分なりの意見を作るためのワークショップです。
環境問題には様々な側面があり、座学での学習ではその構造がわかりづらいと言われています。
体験していただくゲームでは、カードを媒介として参加者同士で相互作用をする中で、
環境問題の中の諸問題を体験することができます。
その中で、身近な行動などが環境問題とどのように関係しているのか、環境問題の解決には何が必要なのか、ゲームを体験し・リフレクションをすることで、自分なりの意見を作るきっかけとなります。
※すでに自分なりの意見や行動を持っていらっしゃる方よりも、これから環境問題に対して考えていきたい方を、対象として設計されています。
※ゲームは2種類ありますが、どちらを体験するかをお選びいただくことは出来ません。
2種類のゲームとも環境問題を体験して学ぶゲームであることは共通しています。
2012年
5月
18日
金
「もそドラ(仮称)」モニター企業募集
みなさま、ご無沙汰しております。
以前、本ブログでご紹介をいたしました、
成果行動と組織市民行動バランスを体験するゲーム「もそドラ(仮称)」が、
企業内テストの段階に入りまして、【ご協力いただける会社様】を募集しております。
(個人単位での募集は現在行っておりません、ご了承ください)
本ゲームで扱う組織市民行動とは簡単に述べると、
「誰もやる必要はないし、やっても直接お金にならないんだけど、誰かがやらないと困る仕事を誰がやるのか」という問題のことです。
組織市民行動は、近年従業員の多忙化や過剰な成果主義の中で失われています。
3月に生産性出版さまから発行された「職場学習の探究」では、
「組織市民行動」の中の援助行動が成長や業績にもたらす影響を検討しています。
この「組織市民行動」はあまりにもアタリマエの行動であるが故に、
その重要性や効果は軽視され、見過ごされる傾向にあります。
本ゲームではこの「組織市民行動と成果行動」が組織内でどのようなバランスの元に存在しているのかを体験することが出来ます。
本コンテンツは、
- 部門間の相互支援が少ない
- 部門間で成果を食い合っている
- 社員の組織への貢献意欲が低い
- モチベーションダウンした中高年がやるべき行動を見いだせない
- 成果を出した社員に報酬として研修をおこなうほど、業績が悪くなる
などの諸問題へ一石を投じるディスカッションツールとして開発されています。
今回この「もそドラ(仮称)」の効果検証のためのモニターを募集しています。
ご興味のある会社様は共同開発を行っておりますカレイドソリューションズさんのHPより、
お問い合わせください。詳細をお知らせいたします。
研究として実施されるため、その点をご了承していただく必要がありますが、
モニター企業様には分析レポート等もつきまして、無料でご提供いたします。
http://www.kaleidosolutions.com/news/monitor/mosodra-pilot.php
よろしくご検討ください。
2012年
3月
30日
金
ご報告/Game×Learning×Funのまとめ
みなさま、こんばんわ。
今日はお知らせが何件かと、少し間が空いてしまいましたが3月17日に開催された、
「Game×Learning×Fun」の報告をしたいと思います。
【お知らせ1】
私、福山が1章執筆させて頂きました、「職場学習の探究」が生産性出版さんから発行されました。
昨年までお世話になっていた、東京大学の中原先生とその研究室のメンバーとの共著ということで、
無事発行にこぎ着けて感動もひとしおです。私の章では、ブログでも何回か取り上げている、
組織市民行動と、職場学習という風土を併せ持つ職場のメリットについて考察しています。
論文を集めた書籍で難しい内容ですが、ご興味のある方はぜひ!
【お知らせ2】
本ブログの最初の記事で参加者を募集した、社会的ジレンマを体験するカードゲーム「Connect the World」が論文になりました!
教育工学論文誌35(4)に収録されています。初の査読付き論文ということで、やっと私も研究者らしくなって参りました。
現在作成中の新しいゲームもまもなく実験に入りますので、こちらもぜひご参加ください。
(今回も実験の段階では、大学生を対象とする予定です。社会人の皆様にもいずれ体験して頂く機会を設けたいと思います。)
さて、今日の本題の「Game×Learning×Fun」の開催報告です。
2012年
3月
18日
日
教育/学習と楽しい失敗のデザインについて(CLGセミナー)
3月15日に東京大学本郷キャンパスにて、CLG研究会として、
セミナー「優れたデザインが生み出すデジタルゲームの楽しさ」を開催いたしました。
前回のワークショップが即日満席になってしまったこともあり、
今回はもじぴったんプロデューサーの中村さんをお招きしての、
セミナー形式での開催となりました。
学生・企業人・教員など幅広い分野から70名ほどのご参加をいただき、
この分野への関心の高まりを改めて感じることが出来ました。
私は今回はスタッフとして関わらせていただきました。
数名で運営せざるを得なかった関係で、多々不手際があったかと思いますが、
どうぞご容赦ください。
セミナーの様子はTogetter等で感じていただけるかと思いますので、
下記リンクからぜひご覧ください。
さて、今回はセミナーの趣旨からは少し外れますが、
中村さんのお話の中で私にもっとも刺さった「失敗のデザイン」について書きたいと思います。
中村さんの方からは良いゲームでは、「もう一回やりたい!」という欲求を高めるために、
失敗の際のアクションに力を入れているというお話がありました。
(パックマンではステージクリアの演出よりも「失敗」の方が凝っているそうです)
2012年
3月
05日
月
EnCampの振り返り① -実践のための経験の理論-
3月1日、2日と東京大学中原研究室主催の「EnCamp」に参加してきました。
中原研に"ご縁"のある人を集めてCampをしようという試みで、
研究者・企業人・大学院生・大学生など40名弱もの多様な方が参加していました。
私、福山はその中の"実践の理論"のセッションで企画・運営をお手伝いさせていただきましたので、その内容を中心に"EnCamp"の振り返りをしたいと思います。
"実践の理論"セッションでは、実践を支える理論を学ぶというテーマで、
メンバーの4名で「パフォーマンス」「祝祭」「ポスト状況論」「経験」という4つの理論を選びました。
私は、今回は「経験」にまつわる諸理論をテーマに発表をしました。
発表をする際に考えたことは、いわゆる「経験学習」には触れず、「経験」そのものについて扱いたいということでした。
当初はパース→ジェームズ→デューイ→ローティ→現代のプラグマティズムという流れを考えていたのですが、今回、参加者が多様なこともありあまりにもプラグマティズムの歴史に引きつけた議論を行うことはあえてやめ、「経験のもつ現代的意義と求められる実践」というのをメインテーマに位置づけました。
(西洋の伝統的哲学とプラズマティズムについてそれぞれ1枚のスライドにまとめるという暴挙を働きました、発表資料は私のSlide Shareのページにひっそりと載せてありますので、興味ある方は探してみてください)
今回、この話をする際に注目したのはエドワード・S・リードという学者です。
彼は「プラグマティズム」とギブソンの「アフォーダンス」の理論を結びつけるという独自の哲学を展開したという点で斬新な学者でした。
私の議論は彼の著作「経験のための戦い-情報の生態学から社会哲学へ」とデューイの議論を元に展開しています。
私の発表の要旨は以下のようなものです。
【社会的な状況】
○かつて、社会には「よい学校」→「良い会社」→「良い生活」という、
多くの人が認め、通用する生き方の「絶対的なモデル」が存在した。
○しかし、現代ではそのようなモデルは崩壊し、絶対的な「良い生活」というものはもはや存在せずに、
自分なりの「良い生活」を模索していく必要がある時代になった。
⇒このような流れの中では、絶対的な真理がある哲学よりも、「実践」を重視し、経験の中から「修正可能な真理観」を生み出すプラグマティズムが参考になるのではないか
【現代社会と経験】
○我々が「経験」から生活の意味を生み出すことが必要だと仮定した場合、現代社会における我々の経験が軽視され・分断されているという問題に取り組まなければならない
○しかし、現代社会では、「間接経験」が過度に重視され、我々は環境を探索し世界から意味を引き出す能力(アフォーダンスの能力)を失いつつある。
また、仕事も分業化され、デューイの主張する「経験の連続性」が失われている。
⇒我々は生物として基本的な能力を喪失しつつある
【現代社会に求められる実践】
○直接経験と間接経験を結びつけるような実践
日常の経験を意味のあるものに感じられるようになる実践
一緒に何かを経験するような(Shared Experience)実践
⇒今日のワークショップ等はこれらを目的にするようなものが多く見られる、
このような実践は今後さらに重要性を増すだろう
…と随分とはしょりましたが以上のようなことを発表しました。
EnCampではゲーム関係ではない皆様からも"ゲーム"について多くの関心をいただき、
様々な議論をすることが出来ました。今振り返って、上記の発表に補足したいことがあります。
それは、「【現代社会と経験】で述べたことというのは、Jane McGonigalの"Gameful"」の議論とかなり類似しているということです。
(私は先日までこれもGamificationであると言っていましたが、井上明人氏の定義やJaneの最近の動向を受けて、"Gameful"と呼ぶことにしました)
Janeが著書「Reality is Broken」であげている、現代社会の壊れている点には、
・単純で満足できない仕事
・他者とのつながりの欠如
・自分のやっていることの"意味"の欠如
などがあります。
詳しくは次回の"Game×Learning×Fun"で(プログラムの都合がつけば)話したいと、
思っているのですが、"Gameful"とは「ゲームが持っている現実よりよい側面」を利用して、
現実を良くしていく(Reality is better)にしていく活動です。
”社会というものは良くしていける”というのはまさにプラグマティズム的発想です。
(ローティは改良主義的なリベラル左派でした。)
「経験のための戦い」の訳者も後書きでコメントしていることですが、1996年から16年経って、インターネットの普及などにより、我々の生活はさらに間接経験に埋め尽くされるようになりました。
そんな中で"間接経験"であるゲームの要素から我々の日常=直接経験を豊かにする手法が提案されるというのは、とてもアイロニカルで面白いことであると思います。
リードの本の最後に以下の様な言葉があります。
"我々の生活の意味は、自分でそれを探す努力を払うときにのみ見いだされるであろう"
我々は「自分の生活を意味づける能力」を今獲得しうるのか?
そして、"Gameful"が生活の意味を見つけ出す助けに本当になりうるのか?
今後も注目していきたいですね。
なんだか全然EnCampの振り返りになっていないのですが、
あまりにも長くなったので、他のセッションにおける学びは次の記事で書きたいと思います。
追記(3/05 21:40)
東京都市大学の岡部先生に「それってセカイ系っぽいね」といわれたのがとても印象に残っています。
たしかに、規模の小さい"ゲームフル"な取り組みは自分(たち)の日常を壮大な何かに結びつけているという点でセカイ系的な要素を持っています。
大きな規模で何かをなせるような"ゲームフル"な取り組みというのは難しいと思います。
はじめはセカイ系でも、関わっている人が幸せになるのであればそれでもいいし、ゆくゆくは大きな動きになればいい、私は今のところはこう思います。
我々の生活の意味は、自分でそれを探す努力を払うときにのみ見いだされるであろう
2012年
3月
03日
土
ワークショップ「Game×Learning×fun」開催のお知らせ
3月17日(土)に東京大学本郷キャンパスで、
"Game×Learning×Fun"を開催いたします!
"Game×Learning×???"、半年ぶり4回目の開催です!
ご興味ある方は下記フォームからお申し込みください。
2012年
2月
24日
金
CLGセミナー「優れたデザインが生み出すデジタルゲームの楽しさ」開催告知
3月15日(木)に、昨年末に大好評だったCLGセミナーの第2弾を開催することになりました。
昨年末の第一弾では、
「ゲームフルな教育をデザインするワークショップ」と題しまして、
海外などの事例紹介やゲームフルな教育についてのディスカッション等を行いました。
詳細な開催報告はコチラに掲載しておりますので、よろしければご覧ください。
今回のセミナーのゲストである中村隆之氏は、
第一弾にご参加いただいたご縁でご登壇いただくことになりました。
今回のセミナーの詳細/お申し込みは下記の告知ページを参照して頂きたい(埋め込んであります)と思うのですが、 私が考える本セミナーの意義だけ述べておきたいと思います。
(あくまで、私、福山が考えるだけで、
CLG研究会・メンバーとの考えと必ずしも一致するものではありません。)
2012年になっていわゆる「ゲーミフィケーション」についての認知度は、
日本でもTVでの特集や書籍の刊行等に伴って急激に高まって来ました。
しかし、現状行われている議論は活用例などの事例紹介が多く、
「ゲーム化」が依拠しているはずの「ゲーム」の部分が軽視されている様に思えます。
教育の分野では教育は誰もが受けてきたために、誰もがマイセオリーである「素朴教育学」が語れるということがあります。
ゲームに関しても「ゲーム」を体験したことのある人は非常に多いことが想定されるため、「素朴ゲーム論」もおそらく誰でも語ることができるでしょう。
しかし、全く「ゲーム学/論」を踏まえないゲーミフィケーションは、素朴教育学がマイセオリーの域をでないのと同様に、作成者しか楽しくない「クソゲー」ならぬ「クソゲーミフィケーション」になってしまう可能性を秘めています。
このような状況になった場合、ブームは長く続かないでしょう。
今回このセミナーでは、
ゲーム開発の第一線でご活躍された中村隆之氏をお招きして、
「優れたゲームのデザイン」についてのご講演をしていただき、
その上で、その「デザイン」をどうやって社会に生かしていくかという議論を行います。
「ゲームデザイン」まで立ち返ってゲーミフィケーションなどを議論されたい方はぜひお越しください。
2012年
1月
25日
水
文献レビューをゲーミフィケーションするという考え
一ヶ月ぶりの更新です。大変遅ればせながらですが、あけましておめでとうございます。
本年も、このブログと私をよろしくお願いいたします。最近、どうもブログと本人が結びついていないことが多いらしく、「あのブログって福山さんが書いてるんですか?」と言われることがあります。当ブログは早稲田大学で「ゲーム×教育と学習」を研究している福山のブログですのでよろしくお願いします(笑)
さて、本日、1月25日は、「クローズアップ現代」でのゲーミフィケーション特集、井上先生の「ゲーミフィケーション」の発売とその出版記念USTということもあり、さながら、“ゲーミフィケーションデー”という様相を見せています。
流れに乗って?私も、以前から考えていた「研究をゲーミフィケーションする」という案の中から、「文献レビューをゲーミフィケーションする」という内容の記事を書いてみたいと思います。大学生/大学院生向けに単位は「論文」となっていますが、変数を変えて頂ければ何か新しい分野を勉強したいと思っている社会人の方にも使っていただける…かもしれません。
ゲーミフィケーションに関して最近思うことですが、もうすでに随分と色のついたワードになってきた気がしまして、個人的には教育分野に適応する際はこの言葉を使わずに、“Gameful Education/Learning”と呼びたいと思っています。とはいえ、有効に活用できる分野も多くあると思いますので、引き続き注目はしていきたいですね。
ゲーミフィケーションについては以前書きましたので、コチラも併せてご覧ください。
さて、私の修士生活を振り返って、一番辛かったことは大体文献レビューと結びついています。
どうして文献レビューが辛いのかということを考えると…。
1.終わりが見えない…というか無い
2.10本読んでも、実際に引用に至るものは1本あるかないかと成果が見えづらい
(読んでいて使える!と思うモノで半分以下)
3.インプットの作業は基本的に誰にも褒めてもらえない
4.しかし、極めて重要である
というような、成果が見えづらく/報酬がないのに重要という構造が原因であると思われます。4年間の研究生活の中で、集中的にレビューをする期間が4,5回ありましたが、毎回涙が出るくらいツライのが実情です。(ゲームの教育利用の分野では日本語文献がほとんど無いので、英語ばかりになる…というのも理由の1つです。)
そこで、”文献レビューをゲーミフィケーションする”というアイデアを提唱してみます。名前は家事をRPGにするゲーム”Chore Wars”をもじって、”Review Wars(仮)”とでもしておきましょう。以下、手順です。
○ゴールの状態に名前をつけよう
壮大で構わないので目標を達成した状態の自分に称号をつけましょう。
とりあえず、私の例で「ゲーム学習王」としておきます。
○文献レビューで必要な量を目安として設定しよう
とりあえず、「関連しそうな論文を50本読め!」というのが私のM1の5月から6月にかけての課題だったので、書籍10冊を足して60にしておきましょう。あまり先を見据えすぎるとたぶん、やる気を失います。
○経験値と目標値をデザインしよう
【例】
・日本語書籍…2exp × 7冊
・日本語論文…3exp × 25本
・英語論文 …4exp × 30本
・英語書籍 …5exp × 3冊
適当に書きましたが、自身の目標に併せてカスタマイズしてください。
学部生なら、新書/入門書/専門書/日本語論文くらいの種別でも良いかもしれません。
楽をしないようにそれぞれ上限に達したら以降は経験値は入らない…とか決めた方が良いかもです。
○レベルと称号をデザインしよう
【例】の場合だと経験値の合計は224になります。
とりあえず、貴族階級を参考に階級を適当にデザインしてみます。
「騎士」から始まって、経験値が20になったら男爵に昇格します。
・王 →224
・王子→176~223
・公爵→130~175
・侯爵→91~129
・伯爵→55~90
・子爵→45~54
・男爵→20~44
・騎士→0~19
基本的には自分で自分を褒めるのが目的ですので、ご自身がテンションのあがる称号を作ってください。他に、日本語文献を目標まで読んだら…とか、○○のジャンルを10冊読んだら…とか、誰々の著作を5本読んだら…とか細かい実績を作ってもOKです。あった方がモチベーションは上がると思われます。
実績についてはコチラが詳しいです。凝り性の方はゲームデザインの知見を参考にデザインをすると楽しいと思いますが、ほどほどに(笑)
○管理シートを作ろう
Exel等で進捗を管理するための表を作りましょう。ついでに何を読んだのか・どんなワードで検索したのか等をメモしていくようなシートも一緒に記入しておくと一石二鳥です。
と簡単ですが、“文献レビューをゲーミフィケーションする”案を考えてみました。
個人的にはそこを超える必要があると思っているのですが、“やりたくないこと/ツライことを楽しくする”という観点ではゲーミフィケーションは極めて有効な手段でしょう。
この方式でまず自分で試してみて良さそうでしたら、続報をお伝えしたいと思います。
もし、続報がなかったら飽きたんだな…とせせら笑ってやってください。
今回、“文献の読み方”という観点には全く考慮していません。文献の読み方に関しては、私の先輩である舘野さんがブログにまとめていらっしゃいますのでコチラをご参照ください。
余談ですが、この記事を書くために前の指導教官である中原先生からいただいた、「福山くんの課題」というメールを全て見返し、いろいろ思い出してちょっとほろっと来ました。
それでは。
2011年
12月
26日
月
「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップ開催報告
みなさま、クリスマスの連休はいかがお過ごしだったでしょうか。
ワタクシは12月は吉野での「経験のRemix」や、「ゲーミフィケーション」のワークショップ等で全く土日に休みがなかったので、久しぶりのお休みをゆるゆると過ごしました。
さて、本日は12月16日に行われました、「ゲームフルな教育をデザインするワークショップ」の振り返りの記事を書きたいと思います。このワークショップは東京大学で不定期で行われている「CLG(Community for Learning and Games)」というゲームと学習に関心を持つ研究者や学生の会の主催で行われ、東京大学の藤本先生・池尻くん、早稲田大学の私、福山が登壇させて頂きました。
この会の内容を簡単にご説明しますと、まず事例研究として、ニューヨーク州の「Quest to Learn」という学校をゲーム化した事例・ニューヨーク州立図書館の「Find thefuture」という図書館を活用するイベントの事例・大人の学びでのゲームの活用事例として、私が開発した組織市民行動ゲーム「もそドラ(仮称)」の事例を発表しました。
その後、グループに分かれて、各グループで教育場面における問題を1つ決めて、それにゲーミフィケーションを用いてどうアプローチをするのかというワークを行いました。
詳しいプログラムはこちらをご覧ください。
本ワークショップは大変な反響を呼びまして、告知開始からわずか24時間で満員御礼となってしまい、ご興味があったのにご参加頂けなかったという方が多くいらっしゃったと思います。この分野にご興味ある多くの方とまたお話する機会を設けたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。(特に学生の方とお話してみたいと思いますので、ご興味あれば、 fukuyamayuki[atmark]gmail.comまでご連絡ください。)
さて、具体的な会の内容を私の感想を少しずつ述べていきたいと思います。
藤本先生が発表した「Quest to Learn」は以前からとても興味のある事例の1つでした。
内容に関しては、藤本先生のブログ(スライドも公開されています)やtogetter等を見て頂きたいと思いますが。今回話を伺って強く感じたことは、この学校は「ゲームを使った」というイロモノの学校ではなく、インストラクショナルデザインの知見に基づいて厳密にカリキュラムがデザインされており、その中に上手くゲームデザインの知見を盛り込んである学校であるということでした。おそらく、普通の学校よりも数段きっちりとした評価制度があると思います。具体的には学習目標=「ミッション」を達成するのに必要な項目が「クエスト」として盛り込まれており、様々なクエストをこなすことで称号が貰えクエスト達成度が可視化されているという具合です。
他に印象的であったのは、全ての学校をゲーム化する必要は無く、旧来の学校に向いている人はそのままで良く、ゲームが向いている人が来れば良いというお話でした。アメリカ(のニューヨーク)では小規模のチャータースクールを作るスモールスクール運動というのがあり、「Quest to Learn」その中の1つとして生まれたということでした。日本にもフューチャースクールというものもありますが、このように学校のコンセプトごとデザインするということがもっと行われても良いように思われます。
池尻さんの発表された「Find the Future」はニューヨーク市立図書館で行われた「自分の未来を本に残す」プロジェクトでした。参加者は図書館に隠された100のエピソードを集め、それに刺激を受けて自分の人生を本に残すことを求められます。ストーリーを発見するとポイントが与えられたり、アーティファクトが活性されたりするそうです。参加者が書いた本は1つにまとめて製本され、図書館に寄贈されました。
池尻さんはこのプロジェクトのゲームフルな点を、
1. 図書館が持つ豊富で面白いリソースの利用
2. 夜の図書館というワクワクする舞台の用意
3. オンラインによるナビゲートと実際の空間との連動
4. 時間ごとに章を埋めていくというわかりやすい進行メタファー
5. 自分の未来を考えるという敷居の低さ
6. みんなが書いたものが1冊に製本されるという達成感、目標の共有
という6つにまとめられていましたが、先日私が発表したゲーミフィケーション関連理論に照らし合わせても、まさにこれは活動を楽しく・意義あるモノにするためのデザインがふんだんに盛り込まれているなと感じます。ものごとをゲームフルにするというのは「ゲームを作る」ということではなく、「ゲームのように」熱中させるためのデザインを盛り込むということです。この点でこの「Find the Future」はとてもゲームフルな活動であったのではないでしょうか。
最後に私から大人のための学びの事例ということで、先日開発しました組織市民行動ゲーム「もそドラ(仮称)」について発表させて頂きました。ケイティ・サレン、ジェイン・マクゴニガルと超大物デザイナーの事例のあとの発表ということで、なんとなく緊張したのですが、思いの外好評で嬉しい限りです。
私の発表の詳細も下記のスライドを見て頂ければと思いますが、簡単に述べますと、
まず大人の学びとしてのゲームとして、ビジネスゲームに着目し、その利用用途が「知識の取得」から「経験の獲得」に変化しているということを述べました。
そして、「経験の獲得」のためにデザインした、組織市民行動ゲーム「もそドラ(仮称)」がどのような経験を目的とし、そのためにどのようなデザインを行ったのか。そして、結果としてどうなったのかという筋でお話をいたしました。
本研究は東京大学の中原淳先生・カレイドソリューションズの高橋さんとの共同研究で実施されており、昨日行われました人材育成学会で発表をいたしました。こちらのスライドの一部もあわせて公開いたしますので、ご興味がある方はご覧ください。
発表後に行われたワークショップですが、「学校」「生涯学習」「企業」の3つの問題関心で4,5名の小グループに分かれて頂いて行われました。発表が押してしまった関係であまり長い時間議論できなかったのが残念ですが、それぞれのグループごとに問題場面を設定し、それに対するアプローチを考えられており、とても面白い議論がなされていたと思います。
まとめに変えて個人的に印象に残っているエピソードを2つご紹介します。
1つ目は参加者の方のツイートに、「あれだけ短い時間でもゲーミフィケーションで問題を解決する様々なアイデアが生まれたのだから、ゲーミフィケーションが必要なのは必然だろう」というようなツイートを拝見したことです。まさにあれだけの短い時間でゲームフルな問題解決策が複数生まれたことは、「私たちの社会がいかにゲームフルでなかったか」ということと同義に思われました。今後よりこのようなアプローチが重視されることでしょう。
もう1つは、藤本先生との議論の中で生まれた、「ゲームなんだからもっと気楽に、しかり取り組め」という言葉です。これまで「ゲーム」という言葉では、「ゲームじゃないんだから…」という風にマイナスイメージを伴って使われていました。しかし、最近、「これはゲームなんだから、失敗をおそれずに、もっと気楽に、楽しんでやっても大丈夫」というニュアンスで語っても受け入れられるような土壌が出来た気がします。
私たちは日常生活の中で、様々なモノに縛られて自由に発想したり、取り組んだり出来なくなっています。それを「ゲーム」をスタートすることで「日常とは別のルールが適応される世界」(魔法円)に入ることが可能になり、それによって安心して普段出来ないことに取り組んだり、日常生活をメタに捉えたりすることが出来るのではないでしょうか。
またぜひみなさまにお会いして議論が出来ますことを楽しみにしております。
それでは良いお年を!
2011年
12月
13日
火
ワークショップで体験するゲーミフィケーション活用術(後編)
さて、今回は前回の記事に引き続きまして、“ゲーミフィケーションを体験するワークショップ”の報告後編を書いていきます。前編でとても言いたい放題書いたせいか、多くの方に拡散・閲覧して頂けたようでとても嬉しく思います。
誤解の無いように再度書いておきますが、ゲーミフィケーションに反対しているのではなく、人の欲望につけ込む手段としてゲームが隠れ蓑にされることを危惧しているということです。ギャンブル化とか、パチンコ化というよりは、ゲーム化の方が見えが良いことは言うまでもありません。
それでは本題です。セミナー前半の理論編に関してはコチラをご覧ください。
第2部で清水さんの方から「ゲーミフィケーションを使ったマーケティングとその事例紹介」があり、「業界3位のコンビニチェーンをゲーミフィケーションでどう活性化するのか」というテーマで企画のワークショップが行われました。
その後第3部は、再び福山が「ゲーミフィケーションを使った企業教育」というテーマでお話をしました。
詳細はスライドを見て頂ければと思いますが、
「ゲームが持っているメカニズムを活用して、職場環境をデザインしたり、職場が抱える問題に対して、ゲームのメカニズムでアプローチを行う」
ことを今回のゲーミフィケーションによる企業教育と位置づけ、現代仕事が抱える問題の例(ex.仕事には明確な目標がほとんどない,適切なフィードバックがない,スキルが仕事に適合しない)をまず示しました。
事例紹介では、それらの問題へのアプローチとして、
1.イヤな仕事をファンタジーで楽しく=「Chore Wars」
2.壮大な問題をみんなで解決する=「Super Struct」
3.日常の仕事を“いいね!”する=オリエンタルランドの「ファイブスタープログラム」,オールアバウトの「“いいかも!”プログラム」
4.ゲームで学校をトータルコーディネート=「Quest to Learn」
という5つの事例を紹介しそれぞれのどこがゲーミフィケーションされており、どんな効果が期待できるのかというお話をいたしました。(詳細はスライドやリンク先を!)
ワークショップは、「世代間のコミュニケーションに問題を抱えた職場をゲーミフィケーションで改善するのか」というテーマで行いました。5班に分かれて企画の立案をしてもらい、それぞれにとても面白い企画が立ち上がりました。
2011年
12月
08日
木
ワークショップで体験する”Gamification”開催報告(前編)
12月3日に神田にてセミナー『ワークショップで体験する”Gamification”』を開催いたしました。
当日の内容・様子についてご報告させていただきます。
書いていたらとても長くなりましたので、本ブログ始まって以来の前・後編に分けてお送りいたします(笑)
セミナーの内容は第1部がGamificationとその周辺理論の解説。2部がマーケティングにおけるGamificationの事例紹介と企画ワークショップ、3部が教育におけるGamificationの事例紹介と企画ワークショップという3部構成で開催されました。
このセミナーは私の大学の同期で、Allabout enFactoryでギフトショップサイトのマネージャーをしている清水正樹さんと企画段階から共同で作成しました。
第1部では私の方から、「ゲームではないアプリケーションやWebサイトなどにゲームのメカニズムを利用する」Zichermannの”Gamification”と「現実の社会や未来をゲームを活用して良くしていく」McGonigalの ”Gamification”という2つのGamificationがあるという説明をし、おそらく共通で使用されているであろう、ゲームに関連する理論の紹介をしました。
詳細はスライドの方を見て頂ければと思いますが、“ゲームの良さ”に関連する6つの心理学の知見を紹介しました。(参考文献表も後編と一緒に後日まとめて公開したいですね。)
1. 人はゲームをするとき没頭している
⇒フロー理論(チクセントミハイ)
2. 人はゲームで自信をつけている
⇒自己効力感の理論(バンデューラ)
3. 人はゲームを自発的にしている
⇒内発的動機付けと自己決定理論(Deci,Lepperなど)
4. ゲームで人と人とは繋がっている
⇒ソーシャルサポート(テイラーなど)とグループジーニアス(ソーヤー)
5. 人はゲームによって幸せになる
⇒ポジティブ心理学(セリグマンなど)
他に、ゲームの楽しみ方の差の問題として、YeeやKlug&Schellのプレースタイルとプレーモチベーションの研究。ゲームジャンル選好に関する男女差の研究などを紹介しました。
今回、このプレゼンテーションをするに当たって、ゲームに関連するといわれている心理学の理論をまとめ、理論の総復習を行いました。その中から、2つのゲーミフィケーションに共通しそうな理論をいくつかピックアップするという形を取ったため、泣く泣く捨てた理論が山のようにあります(ポジティブ心理学/学習理論/コミュニティ関連の心理学/職場学習論などはほとんど捨てました)。機会があれば教育/学習に絞って深くまとめてみたいですね。
さて、今回このようにゲーミフィケーションとは何なのかということを自分なりに追求した結果、見えてきたことがあります。それは、世間で言われているZichemmanのゲーミフィケーションには行動科学の影響が色濃くあるということです(以下のゲーミフィケーションはZichermmanのものを指します)。Gamification-wikiの“ゲームメカニズム”には動機付けや報酬の与え方、罰の使い方など行動科学で積み重なってきた知見が関連理論としてよく見られます。また、人の心はどうすれば流されるのかという社会心理学の影響(ex.認知的不協和理論)も一部に見られます。
正直にいって、私はこのような流れには危険な傾向があると思います。(もちろん、行動科学や社会心理学をけなしているわけではありません。僕はその両方とも好きです。)
「○○すれば、人はゲームをやめられない」とか、「○○すれば、人はためらわずに課金をする」とかという話は、結局人をどのようにすれば都合良くコントロールできるのかという話を表裏一体です。先日、シリアスゲームセミナーで、東京大学の藤本先生からシリアスゲームは“社会的な良さ”を前提にしているが、ゲーミフィケーションにはそれがないという話がありました。
ゲーミフィケーションがなんの“良さ”も前提に置かず、ただ人の欲望につけ込むことを目指すのであれば、それはとても悲しく、危険なことです。「ゲームというチョコレートを被せた、人の欲望につけこむ洗脳薬」は、これまでのセールス手法よりも見かけが楽しい分だけ回避しづらいでしょう。
私はゲーミフィケーションが「本当に人を楽しくし、その結果、商品や会社を好きになって貰うため」に使われ、ゲーミフィケーションが“ゲーム”そのものの評判を落とさないことを強く願います。また、マクゴニガル的なゲーミフィケーションの認知度も高めていくように個人として取り組みたいですね。マクゴニガル的ゲーミフィケーションを教育にどう生かすかに関しては、16日に東京大学で行われるワークショップの方で議論が出来ればなと思っています。(本WSですが、申し訳ないことに多数の方にご応募頂きまして、現在キャンセル待ちが10名以上いらっしゃいます。現在は参加希望は受け付けておりませんのでご了承ください。)
言いたいことは言い切ってしまった気もしますが(笑)、また次週あたりに私が担当した第3部の内容をご紹介したいと思います。
2011年
11月
19日
土
「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップ開催のお知らせ
12月2つめのイベントのお知らせです。
図らずも「ゲーミフィケーション×教育」のイベントに2つ登壇することになりました。
こちらのイベントでは、私はゲームを使った教育の事例をご報告し、その後皆様と一緒に、
”ゲームフルな学びの場”についてディスカッションする予定です。
東京大学の藤本先生などと開催している研究会での、
初イベントということで、こちらも気合いを入れて準備をしていきます!
先日告知をした、
ぜひ”ゲーミフィケーション×教育”を盛り上げる年末にしたいと思っておりますので、
ご参加頂けますと幸いです。
=============================
「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップ
趣旨:
昨年来の急速な「ゲーミフィケーション」への関心の高まりは、教育分野へも波及しています。
既存のゲーム的な要素を含んだ活動をゲーミフィケーションの枠組みで捉えて評価し直す動きとともに、ゲームデザインの手法を用いた新たな教育カリキュラムや学習環境を生み出そうとする試みも、欧米を中心に進められています。
今回の研究会では、「教育のゲーミフィケーション」をテーマとしたワークショップを開催します。ゲームデザイナーと教育専門家が協力してカリキュラムを開発した米国ニューヨーク市の公立チャータースクール「Quest to Learn」やニューヨーク公共図書館で行われたイベント「Find the Future」などの事例を紹介し、ゲーム要素を取り入れた学びの場のデザインするためのアイデアや工夫の仕方を議論します。
主な対象者:
教育・人材育成関連企業の方、学校や教育機関教職員の方で、新しい学習活動デザインアプローチを模索している方
内容:
1.イントロダクション、趣旨説明
2.事例紹介
・Quest to Learn:学校カリキュラム全体のゲーミフィケーション事例発表者:藤本徹(東京大学大学院 情報学環)
・Find the Future(ニューヨーク公共図書館で行われたゲーミフィケーションイベント):学習活動のゲーミフィケーション事例
発表者:池尻良平(東京大学大学院 学際情報学府 博士課程)
・Games for Learning : ゲームを用いた学習の事例
発表者:福山佑樹(早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程)
3.グループワーク&ディスカッション
日時:
12月16日(金)18時30分~21時
(18時15分開場・18時30分開演)
会場:東京大学本郷キャンパス 福武ホール地下2階・ラーニングスタジオ1
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/
(本郷キャンパスの赤門入ってすぐ左の建物です。)
定員:20名
参加費:
社会人:1500円、学生:1000円
※軽食・飲物代と資料代に使用します。当日受付でお支払いください。
参加申込方法:下記申込フォームよりお申込ください。
主催:CLG(Community for Learning and Games)研究会
共催:東京大学ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)
2011年
11月
17日
木
セミナー登壇のお知らせ/ゲーミフィケーションについて
12月3日(土)の午後に、
『ワークショップで体験するゲーミフィケーション ―社内教育・マーケティング編―』
というセミナーに登壇いたします。
今年の初め頃から「ゲーミフィケーション」というワードをネット上でよく見かけるようになりました。「ゲーミフィケーション」とは最も広義の定義ですと、「ゲームのメカニズムを使用してものごとを良くする」という意味の言葉です。
このワードが出始めた当初は「ゲーム」という言葉を使ったワードが流行することを、私はかなり好意的に見ておりましたが、昨今バズワード化するにつれて、「ゲーミフィケーションすればなんでも良くなる」という言説や、「怪しげな理論的裏付け」などをもって語られることが増えるようになっており、一過性の流行で消費される様相を見せています。
例えば、ゲーミフィケーションではチクセントミハイの”フロー”が引用されることが多いですが、Webサイトを面白くしたからといって対象物に完全にのめり込み、活動と意識が融合する”フロー”に入るかというとそんなことはあり得ないでしょう。ムリに意義のない目標を設定したり、快楽を与える仕組みを作っても、それは”ジャンクフロー”です。Webサイトにゲームの仕組みを用いて人を引きつける仕組みを語る場合、もっと適切な理論があると思われます。
そんな折、「ゲームを利用して教育・学習を良くする研究をしている」という話を知人にしたところ、セミナーで話してみないかというお誘いをいただきました。
セミナーでは、Zichermann的なマーケティングのためのゲーミフィケーション(広く知られるようになったゲーミフィケーション)と、マクゴニカル的な現実をよくするためのゲーミフィケーションの両面のお話をするつもりです。(私は2部で後者の話をします)
マクゴニカル的なゲーミフィケーションとは、ゲームの持つ力を利用して「現実を変える」というメソッドです。(詳しくは「幸せな未来はゲームが作る」をご覧ください。)こちらの場合は確かに、現実の活動にゲームの仕組みで没頭させ、”フロー”を作ることも可能かもしれません。
以前のブログでした書きましたが、私は今こちらに注目しており、今回皆様と一緒に「ゲーミフィケーションで組織をどう変えられるか」ということを考えてみたいと思っています。
今回のセミナーは3部制で、第1部として「ゲーミフィケーションがなぜ流行っているのかと/ゲーミフィケーションに関する諸理論」をお話しし、2部・3部で「ゲーミフィケーションを職場やマーケティングでどう生かすか」というワークショップを行います。
私が普段主催しているワークショップに比べて高い参加費になっておりますが、それに見合う内容を(普段よりも気合いをいれて)準備しておりますので、ご興味ある方はご参加頂ければと思います。
お申し込み/イベント詳細はコチラ
2011年
11月
11日
金
組織市民行動ゲームWSの開催報告(と告知)
11月5日(土)に東京大学にて、
“組織市民行動ゲームを体験するワークショップ”を開催いたしました。
簡単ですが内容をご紹介したいと思います。
今回は、開発しているゲームの評価実験を兼ねていたため、
アンケートやインタビュー等参加者の皆様にはご協力いただきましたが、
“アンケート等もとても振り返りに役立った”というコメントもいただきまして、大変嬉しく思いました。
本実験の結果の一部は12月に産業能率大学で行われる“人材育成学会”で発表いたします。
ワークショップはまず挨拶とアイスブレークから。
ムチャブレイクというワークを体験して頂きました。
きっとまたすぐに使うと思うので、内容は伏せておきますが(笑)、
短時間で出来て、とても盛り上がるワークなので気に入っています。
その後、“組織市民行動”について私の方から、簡単に解説を行いました。
募集の際のブログにも書きましたが、組織市民行動とは、オーガン(1988)によると、
①任意の行動であり
②公式の報酬システムによって直接、もしくは明確に承認されているものではなく
③集合的に組織の効率を促進するのものである
と定義されます。
かみ砕いて言うのであれば、
“やらなくても良いし,やっても別にお金がもらえるわけじゃないんだけど,組織のためを考えるとやった方が良いよねー”というような行動のことです。
このような行動が実は組織のパフォーマンス影響しているという研究はこれまで米国を中心に沢山行われてきました。
解説とアンケートを挟んでゲーム体験に移ります。
組織市民行動ゲーム、通称“もそドラ(仮称)”は、
協力をしながら会社の存続を目指していくゲームです。
公開可能な部分のルールは下記のスライドをご覧ください。
少々ルールが難しいので、参加者の皆様もはじめ混乱気味のようでしたが、
練習ラウンドの終了時までには大体理解して頂けたようです。
2011年
10月
20日
木
組織市民行動ゲームを体験するワークショップのお知らせ
_______________________________________________
【社会人限定】組織市民行動ゲームを体験するワークショップ
_______________________________________________
このたび、社会人3年目以降の方を対象に、
"組織市民行動ゲームを体験するワークショップ"
を開催することになりました。
2011年11月5日(土曜日)13:00-16:30
”組織市民行動”(Organizational Citizenship Behavior)とは、
「公式の報酬体系では承認されていないけれども、組織の効率を促進する、任意の行動」です。
もう少し柔らかくいうのであれば、
”誰の仕事でもないのだけれども、誰かがやらないといけない仕事”や、
”ちょっと我慢して組織に貢献する行動”のことです。
これは成果主義の行き詰まりの中、日本でも再注目されている概念です。
本ワークショップでは、この会社における”組織市民行動”を体験するゲームを実施いたします。
本ワークショップは、「実験」として実施されます。
参加をご希望の方は、ゲームの評価のための実験であることをご承知ください。
このこと、および、下記に示す下記の条件をご参照のうえ、
ご同意いただける方は、ふるってご応募ください。
みなさまの参加をお待ちしております!
ーーー
■日時:
2011年11月05日(土)
13:00-16:30
(開場12:30)
■場所
東京大学福武ホールラーニングスタジオ2.3
■参加費
無料
■募集人数
12名
■プログラム
12:30: 開場
13:00~13:30: 挨拶、アイスブレーク
13:30~13:45: 組織市民行動に関する簡単な説明
13:45~14:00: 事前アンケート記入
14:00~15:30: ゲーム体験(途中休憩あり)
15:30~15:40: 休憩
15:40~16:00: リフレクション
16:00~16:15: 事後アンケート記入
16:15~16:45: インタビュー
17:30ごろ~: 希望者がいれば懇親会
■参加条件
1.現在、企業・団体等にお勤めの社会人3年目以上の方
(インタビュー等の都合上、退職された方、休職中の方はご遠慮ください)
2.下記データの取り扱いに同意できる方
ワークショップで取得した各種データを、研究、研究広報目的にかぎり自由に利用することを許諾すること。本データに関して、著作権および、肖像権等の権利を主張しないこと。
氏名等はプライバシーに配慮して匿名で処理します。
3.本ワークショップで知り得た情報を元に、類似のゲーム等の開発を行わないとお約束いただける方。
上記をお読みになった上で、すべてにご同意いただける方は、
下記のフォームから10月30日23:59分までにお申し込みください。
お申し込みをいただいた方には、11月1日中にfukuyamayuki[atmark]gmail.comより、
参加の可否をご連絡いたします。
※本研究は東京大学中原淳准教授・カレイドソリューションズ株式会社高橋興史さんとの共同研究です。
2011年
10月
14日
金
日本教育工学会のご報告と、最近思うこと
先日お知らせしたとおり、9月17日~19日までの間で、日本教育工学会の全国大会が首都大学東京で開催されました。
当ブログでの告知も微力ながら貢献したのか、1日目に行われましたワークショップセッション「ゲーム要素を活かした学習ソフト開発の事例研究」や私も発表いたしました課題研究セッション「ゲーム・シミュレーションを利用した教育・学習支援」では、普段学会にはいらっしゃらないような皆様にも多数いらっしゃっていただいたようで、とても良かったと思います。
さて、私の今回の発表に関して簡単にご報告しておきます。
私の今回の発表は、「社会的ジレンマを体験するためのカードゲーム教材が協力行動意図に与える影響の検討」という題目で「教育を目的としたゲームを行った際に長期間に渡って獲得される心理的要因は何なのか、そして、それはゲーム後にどのように変化していくのか」ということに注目した発表でした。(もし、そう聞こえなかったとしたら私のプレゼン能力の至らなさです…。)
この研究では2010年の10月頃に環境問題に関するゲームを実施し(本ゲームに関しては、コチラの記事が詳しいです。)、2011年の4月頃に追加のインタビューを行いました。わずか4名に対するインタビューであるということは前提になりますが、結果からいえば、最も印象に残ったゲームの内容は、ゲーム中に「葛藤」を覚えた箇所に関連しているということです。ある参加者の方は、インタビューで「あの時、相手のグループが主張を押し通してきたのが酷かった」であるとか、「自分の利益と環境との兼ね合いを考えるのが難しかった」という発話をしていました。このようにゲームを行うことで、葛藤が起こった箇所に関しては長期間鮮明に記憶に残すことが可能であるということが言えると思います。
また、ゲーム中に獲得された意識がゲーム後にどのように変化していくのかということに関しては、ゲーム中に獲得された意識と「現実」が反する状況になっていたとき、人は獲得された意識を失っていくということがわかりました。これは、ゲームでの状況は現実とはリンクしていない使えないものであると参加者は判断し、獲得した意識が低下したということになると思います。
このあたりに関しては、同じ課題研究でご発表された藤本徹先生が最近翻訳された、「幸せな未来は『ゲーム』が作る」(英文タイトルは「Reality is Broken」)を読んでいて思うところがありました。本では、現実がゲームと比較して「壊れている」部分を指摘し、現実をゲーミフィケーションすることで、どう修復するのかという観点が書かれています。
私の開発したゲームの中では、参加者は2つの国家として、お互いが「環境の維持のために協力する方策を見つけ出す」という展開が多く見られます。しかし、現実の国家はそのようには動きません。明らかに協力すれば上手くいくであろう事柄も、複雑に絡み合う諸要因やエゴの結果、協力に至らないということも散見されます。このとき、ゲームは理想的な環境だからというのか、現実の方が「壊れている」のだから現実を修復すべきだと考えるのかには大きな差があります。
全国大会の発表では、私は「自分で実現可能なことに問題の原因を置く」、つまり「私のレベルにおける責任感」を獲得することが、獲得した意識を維持する方法であるという発表をしました。しかし、「壊れている」現実の方にアプローチをしなくてはいけないという「構造レベルに対しての責任感」を持ち、現実で何かを達成することで意識を維持・向上するという方法もあるのでは無いかと今では思っています。これはとても壮大なプロジェクトで研究という枠組みで扱うのはとても難しいことであると思います。それでも、「幸せな未来は『ゲーム』が作る」を読んでいると「現実にアプローチすること」を前提としたゲームの存在はきわめて重要なものであると感じさせられます。これに関しては今後も何かを考えて発信していきたいと思っています。
最後に1言付け加えるのであれば、近年流行の兆しを見せている、「ゲームやゲーミフィケーション」とは、「ただのお金稼ぎの方法にとどまらず、現実を良くする方法になり得る」ということです。ゲーミフィケーションがただのマーケティング手法として認知される(そしてすぐに消えていく)前に現実へのアプローチとしてのゲーミフィケーションについても考える場を設けられるといいですね。(詳しくはぜひ「幸せな未来は『ゲーム』が作る」をお読みください)
それでは、最後に恒例のアナログゲーム紹介に入りたいと思います。今回ご紹介するのは「蒸気の時代」というゲームです。
このゲームは鉄道会社になり、街と街の間に線路を引き物資を運搬することで利益をあげることを目指すというものです。これまで体験したゲームと異なるなと感じた点は、ゲーム開始時の資金が株式発行による「借金」によるものということです。この株式は毎回配当という利子を払わなければならず、常に資金のショートと隣り合わせの中でゲームが進みます。(追加の借金もできますが、限界値や勝利点の減少もあるので気軽にできるものではありません。)しかも、設備投資(運搬能力の向上)を行うと、資金獲得能力の向上をあきらめなければならないので、どこで「しゃがむ」のかという駆け引きもあります。
また、引ける線路の数は限られているが、運搬の際に人の線路を使用すると他者の利益が増加するため、どのように線路を引いていくのかという点でも駆け引きがあり、なかなか激しい戦いになるゲームでした。(ちなみに、私が久しぶりに勝利しました)。
2011年
9月
15日
木
8月・9月のご報告
1月ぶりの更新となりました。
皆様、また暑い日々が続いておりますがお元気でしょうか?
本日は告知が2つとご報告1つです。
再度の告知になりますが、
明後日、17日~19日まで首都大学東京で行われる、日本教育工学会全国大会において、
ゲーム関連のセッションが2つ企画されています。
私は課題研究というセッションで発表いたしますので、
ご興味がお有りの方はぜひご参加ください。
内容に関しては下記、藤本徹先生のブログが詳しいです。
http://www.anotherway.jp/archives/001285.html
また、毎回のブログで“ゲーム提供”としてお名前を挙げさせていただいている、
カレイドソリューションズさんと私で共同開発中のゲーム、
「もそドラ」のテストプレイも募集しております。
次回は10月5日(水)の20時から限定4名の募集です。
「組織市民行動」という日本ではあまり知られていない概念をゲームにしたものなのですが、
「成果主義」で行き詰まり(息詰まり?)を感じていらっしゃる方などは、
ぜひ知っておくとよい概念だと思われます。よろしければ、下記からお申し込みください。
テストは10月中に最後の一回が開催される予定です。
http://www.kaleidosolutions.com/2011/09/OCB02.html
以下ご報告です。
1つ目は、8月25日にインターリスク総研さんの企業内勉強会にご招待をいただきまして、
簡単な講演をさせていただきました。
「つながりが職場にもたらすもの」というタイトルで、1時間半ほどのセッションでした。
一応、私もゲーム研究者ですので、ゲームの体験を交えながら、
何かを得てもらえれば良いなということで、私の血縁者が書きました、
「対人援助のためのグループワーク」という本の中から、
「ソシオグラム」というワークを実施しました。
これは、各人がそれぞれ持っている情報を集めて、
あるコミュニティの相関図を書くというワークです。
この完成した「相関図」を見ながら、
「ソーシャルキャピタル論」・「ソーシャルサポート論」・「職場学習論」・
「組織市民行動論」など、について解説をするという流れでした。
詳細は、とても長くなりますので、どこかに呼んでいただければお話しいたします(笑)
2011年
8月
13日
土
ドラフトゲーム
アナログゲーム紹介第3弾シリーズは、ドラフトゲームです。
もうおなじみですが、アナログゲーム研究会の活動として、
カレイドソリューションズの高橋さんに今回もゲームをプレイさせていただきました。
毎度ありがとうございます。
先に1つ告知をいたします。
9月17-19日に首都大学東京で「日本教育工学会全国大会」が開催されます。
その中の課題研究という時間帯(19日午後)の
「ゲーム・シミュレーションを利用した教育・学習支援」
というセッションで、福山が発表いたします。
シリアスゲーム研究者の藤本徹さんや、ゲーミング勉強会の池尻くんも発表いたしますので、
「ゲーム×学習」に興味のある皆様はもしよろしければお越しください。
http://www.jset.gr.jp/taikai27/program/program.php
さて、「ドラフトゲーム」というのは、配られたカードをそのまま手札にするのではなく、
一枚だけを取り、残りを隣の人に渡していくというスタイルのゲームのことです。
このことでゲームには、
1.どんなカードが場に流れているかが分かる
2.誰が何を持っているかある程度想像できる
3.自分が必要でないけど、人には渡せないから握り潰すという戦略の存在
などの要素が盛り込まれ、カードを配るだけのゲームより運の要素が減り、駆け引きと戦略性が増します。
さて、困ったことにこのゲーム、私は個人的に好きなのですが、
学習に関連する要素が見いだしづらい…(汗)
「自分が取らなかったカードがほぼ必ず誰かの手に渡る」というルールは、
「他者の戦略を想定する」ことを求めますが、そのくらいでしょうか。
また資源(カード)を集めるフェーズとそれを使用するフェーズは別であるゲームが多いので、
その辺りでもまた戦略性があります。
…、でも、学習にどう役立つのかは分かりません…。何か思いつく方がいましたら、
コメント欄かメールでぜひご連絡ください。
個人的には「アレもコレもは両立しない」という世の中の真理を映し出している気がします(笑)
さて、ゲーム紹介です。
1.操り人形
「盗賊」や「建築家などの」8つの職業カードから1枚選んで回すというドラフトゲームです。建物を建築して、規定の軒数が立ったらゲーム終了。点数が一番多い人が勝ちです。取った職業カードによって行えるアクションが異なるほか、他のカードを妨害するカードがあったりと、「誰が何を取ってくるのか」という駆け引きが味わえます。
…とはいえ、私が体験したのは標準ルールと違う3人ゲームだったのでもう一度やってみたいですね。2000年ドイツゲーム大賞ノミネート。
2.アークキング
同人ゲームらしいです。ある国の王子様になって、
様々な能力を持つ仲間カードをドラフトによって獲得していきます。
誰かが規定の枚数に到達した時点で、建物やお宝等の点数が一番多い人が勝利。
ドラフトの部分は結構面白いし、かなり頭も使うのですが、
局面の展開が激しすぎて、ドラフトで何を押さえるのかという戦略が他のゲームよりも、
運の要素が強くなってしまっている気がします。
あとは、必要な資源と点数のバランスがイマイチ。
3.ヴォーパルス
これも同人ゲームみたいです。ある島の諸侯として領地を経営し、
4ターン終了時に一番勝利点の多い人が勝ち。
ドラフトでは、戦争に使う兵隊や資源を生み出す職人等を獲得します。
「経年」という概念と「コンボ」的な要素が上手く盛り込まれており、結構お気に入りでした。
でも、資源のバランスはちょっと悪いかも。
4.セブンワンダーズ
世界の7不思議(ゼウス像とかピラミッドとか)のうち1つを担当し、
自分の文明?を発展させることを目指すゲーム。カードがとても綺麗。
印象はシヴィライゼーションをアナログゲームに無理矢理した感じ。
あまりにも発展させる要素が多いのに、7枚×3ターンのドラフトではあっという間に終わってしまう。
ドラフトするものは、軍事建造物、資源、テクノロジー、産業建造物など。
私がCivが好きなせいか、どうも似せたケド…という印象を拭えないのでした。
2011年ドイツゲーム大賞受賞とのことなので、私には2回遊んだだけでは、
真の面白さに気づけていないのかも知れません。
他のブログではとても好評だったりします。
さて、この「ドラフトゲーム」というジャンル、「どう考えても学習ゲームとして開発できない」と、
高橋さんが仰っていたので、意地でも何か学習ゲームにすべく、色々考えています。
何か作れそうでしたらまたこちらでご報告しますので、ご興味あればぜひ続報をお待ちください。
それでは!
2011年
7月
13日
水
協力ゲームと学習
告知が続きましたので、ゲームネタを久しぶりに書いてみます。
随分前の事になりますが、「協力ゲームシリーズ」ということで、
協力ゲームをカレイドソリューションズの高橋さんにやらせて貰いました。
(高橋さん、いつもありがとうございます)
すでに第3シリーズの「ドラフトゲーム会」も終了しているので、
そちらもそのうち記事にしたいと思います。
○協力ゲームとは…
協力ゲームとは、高橋さんによると、
「チーム対抗戦でもなく、個人対抗戦でもない、『ゲームシステムが敵』という斬新なゲームシステム」とのことです。
私の言葉で簡単に言い換えると、
「プレイヤーはお互いに仲間で、協力しながらある目標を達成することを目指す」
という様なゲームです。
デジタルゲーム世代の福山としては、これだけを聞くと、
「マリオもカービィも協力プレイ出来るじゃん」と思ったのですが、
ボードゲームとして体験してみるとかなり斬新でした。
○協力ゲームと学習
個々のゲームの感想は後で書くことにしまして、ここでは全体としてワタクシがどのような印象を受けたのか、ということを振り返っていきたいと思います。
学習として考えた際に、協力ゲームには3つのメリットがあると感じました。
1.協調学習の知見と同様の効果がある
このメリットが最大といっても良いとは思いますが、
実際に体験をしてみて、他者と話し合ったりしながら協調して学習をするという「協調学習」の知見として指摘されているような現象が多々起きました。
例えば、他者のターンでは自分は一歩引いた視点に立ってメタに考えることが出来たし、
攻略法について議論することで新しいアイデアも生まれました。
また、「分かっている人」が「分からない人」に説明することでお互いに新しいアイデアが生まれるといったこともありました。
今回、協調学習に関しての詳しい説明は割愛しますが、ご興味ある方は下記リンク等をご参考ください。
http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2009/11/post_195.html
http://www.beatiii.jp/seminar/012.html
2.雰囲気を悪くしづらい
子どもの頃に「対戦ゲームで遊んでいて、熱くなって喧嘩をしてしまった…」という経験をした方は多いのではないかと思います。
さすがに大人になると喧嘩になることは無いとは思いますが、やはり負けが込んでくると良い気分にはなれません。
このような状況になってしまえば、もちろん学びどころの話しでは無くなります。
協力ゲームでは全員が協力するため、勝者も敗者も全員になります。
これは特に子どもを対象にした際に学習が成立しないというリスクを抑えることになる可能性があります。
3.学校で導入しやすい
学校において(話しに聞くところによると企業の新人研修でも)競争という要素が近年敬遠される傾向にあるようです。
(私は「ゲームにおける競争要素」という発表を今年しており、「競争」には「競争」の良さがあると思っていますが…)
授業内で勝ち負けを生み出さない協調ゲームは学校において導入しやすいでしょう。
また、協力ゲームでは時に、自分を犠牲にするような行動をとらなければならない瞬間があり、各々が好き勝手に動いていては確実にゲームに勝てないという特性があります。
このような道徳的?な要素というのも学校では相性が良いでしょう。
上記のようなメリットがあるため、
①学校など協調的に学ぶことが望まれる場で行う場合
②チームビルディングなどの効果もゲームに望む場合
などには極めて向いているゲームであると感じました。
○体験したゲーム
では、今回私が体験したゲームの簡単な解説と感想を書いていきます。
①Lord of the Rings(指輪物語)
映画も大ヒットした指輪物語のゲームです、
プレイヤーはホビットになり、他の種族の仲間やアイテムの助けを借りて、
指輪を葬るために火山に旅をしていきます。
協力ゲームとしては、弱いホビットが助け合いながら進んでいく感じが良く表現されていました。また敵としては強大な力を持つ冥王サウロンが徐々に迫ってくる感じがゲームボードで上手く表されています。
ゲームとしては割合に地味な感じですが、ファンの方とやったらまた違った楽しさがあるのかもしれません。
余談ですが、我が家にはもらい物ですが「LotR」のDVDが全巻あります。
②パンデミック
有名なゲームですね。疫病が世界を滅ぼす前に協力してワクチンを作るゲームです。
プレイヤーそれぞれの能力に個性があるので、上手く話し合いながら協力しなければなりません。
ゲームバランスも極めて絶妙なのであと一歩で救えない…ということが頻発して面白いです。オススメ!
個人的には防疫学的にこのゲームがどのくらい本当なのか気になりました。
③禁断の島
パンデミックと同一作者のゲーム。沈みゆく島の中で、移動したり島を補修したりしながら、4つの宝を発掘して脱出するゲームです。
こちらも、能力の違う職業が割り当てられるので、上手く協力する必要があります。
「島が沈んでいく」というのが上手く表現されていて面白い。カードも綺麗だし、難易度も低いらしいので、子どもや女性にオススメです。
2011年
6月
14日
火
ワークショップ”Game × Learning × job”開催報告
ゲーミング勉強会主催ワークショップ”Game × Learning × job”が、
6月11日に東京大学にて開催されました!
ワークショップ”Game × Learning × job”は、
「ゲーム×教育」の体験と、その普及のために行っている、
”Game × Learning × ???”という企画の第2回として開催されました。
今回のワークショップは、カレイドソリューションズの高橋さんをゲストとしてお招きし、
”パラダイス”というゲームをご提供いただいて開催されました。
簡単ではありますが、開催のご報告をしたいと思います。
福山が使用したスライドに関しましては、最下部でご覧になれます。
(高橋さんのスライドの一部も後日公開していただけるそうです)
0.登壇者紹介
早稲田大学の福山(プレゼン・司会担当)
Twitter:@fumituki85
東京大学大学院博士課程の池尻さん(運営担当)
Twitter:@ikejiriryohei
blog: http://www.i-timemachine.net/ikeblog/
カレイドソリューションズの高橋さん(ゲーム提供・ファシリテーター)
Twitter:@kojitakahashi
HP: http://www.kaleidosolutions.com/
が自己紹介をいたしました。
1.アイスブレーク
イデンティクという、お絵かきパーティーゲームでアイスブレーク。
フランスゲーム大賞を受賞したゲームだそうです。
3回戦行って、後半かなり熟達したチームもあって面白かったです。
かなり打ち解けた感じが伝わってきました。
2.プレゼンテーション:
”ビジネスゲームの歴史と学習観”というタイトルで、福山が話しました。
70年代には「ビジネスゲームを行う目的」は「学習成果」が主流であったのに、
00年代では、「経験の獲得」が主流になったという話を、
知識重視の学習観(導管モデル)から社会構成主義的な学習観への変容と捉えて解釈しました。
2011年
6月
01日
水
ワークショップ"Game × Learning × job"開催のお知らせ
6月11日(土)に東京大学で "Game × Learning × ???"の第2回目を開催します!
私は今回は「ビジネスゲームと学習」に関するプレゼンテーションと、
司会&ディスカッション進行などをやらさせていただきます。
6月3日(金)の23時59分が申し込みの締め切りですので、
ご興味のある方は下記フォームより、ご登録ください。
下記は、池尻良平さんのブログからの転載です。
http://www.i-timemachine.net/ikeblog/2011/05/-game-learning-job.html
____________________________________________________________________
"Game × Learning × ???"は、
前回の"Game × Learning × eco" の様子
対象(抽選の上30名まで)
・ゲームを利用した教育や学習に関心のある方
・研修や企業内教育に関心のある方
・面白いゲームで遊んでみたい方
どなたでも参加いただけます。
参加費
・1000円(学生は500円)
場所:東京大学工学部2号館9F
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html
―――――――――――――――
プログラム
○12:40 開場
○13:00 開会 & アイスブレーク
○13:30 プレゼン「ビジネスゲームと学習」
(プレゼン:早稲田大学大学院 福山佑樹)
○14:00 ゲーム体験セッション「パラダイス」
(ゲーム進行:カレイドソリューションズ 高橋興史さん)
○15:50 ゲーム解説とディスカッション
○16:50 ラップアップ
○17:00 閉会
―――――――――――――――
・下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいているとみなします。
1.ワークショップの様子は写真撮影・ビデオ撮影されます。
2.写真や動画は、学会・研究会・次回のWSでの発表などに許諾無く利用される場合があります。
(ただし、利用は学術目的か非営利の目的に限ります)
*個人情報は、ワークショップに関する連絡のみに使用し、終了後破棄いたします。
"Game × Learning × ???"は、
前回の"Game × Learning × eco" の様子
対象(先着順 抽選の上30名まで)
・ゲームを利用した教育や学習に関心のある方
・研修や企業内教育に関心のある方
・面白いゲームで遊んでみたい方
どなたでも参加いただけます。
参加費
・1000円(学生は500円)
場所:東京大学工学部2号館9F
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html
―――――――――――――――
プログラム
○12:40 開場
○13:00 開会 & アイスブレーク
○13:30 プレゼン「ビジネスゲームと学習」
(プレゼン:早稲田大学大学院 福山佑樹)
○14:00 ゲーム体験セッション「パラダイス」
(ゲーム進行:カレイドソリューションズ 高橋興史さん)
○15:50 ゲーム解説とディスカッション
○16:50 ラップアップ
○17:00 閉会
―――――――――――――――
・下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいているとみなします。
1.ワークショップの様子は写真撮影・ビデオ撮影されます。
2.写真や動画は、学会・研究会・次回のWSでの発表などに許諾無く利用される場合があります。
(ただし、利用は学術目的か非営利の目的に限ります)
*個人情報は、ワークショップに関する連絡のみに使用し、終了後破棄いたします。
"Game × Learning × ???"は、
前回の"Game × Learning × eco" の様子
対象(先着順 抽選の上30名まで)
・ゲームを利用した教育や学習に関心のある方
・研修や企業内教育に関心のある方
・面白いゲームで遊んでみたい方
どなたでも参加いただけます。
参加費
・1000円(学生は500円)
場所:東京大学工学部2号館9F
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html
―――――――――――――――
プログラム
○12:40 開場
○13:00 開会 & アイスブレーク
○13:30 プレゼン「ビジネスゲームと学習」
(プレゼン:早稲田大学大学院 福山佑樹)
○14:00 ゲーム体験セッション「パラダイス」
(ゲーム進行:カレイドソリューションズ 高橋興史さん)
○15:50 ゲーム解説とディスカッション
○16:50 ラップアップ
○17:00 閉会
―――――――――――――――
・下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいているとみなします。
1.ワークショップの様子は写真撮影・ビデオ撮影されます。
2.写真や動画は、学会・研究会・次回のWSでの発表などに許諾無く利用される場合があります。
(ただし、利用は学術目的か非営利の目的に限ります)
*個人情報は、ワークショップに関する連絡のみに使用し、終了後破棄いたします。
2011年
5月
05日
木
研究をゲームにしてみるワークショップ(トライアル)報告
こんばんわ、ネタがあるので連日の更新です。
5月3日に博士のシェアハウスの山田さんと協同で計画している、
「研究をゲームにしてみるワークショップ」のトライアルが行われました。
こちらのワークショップは、私が所属?するゲーミング勉強会で行われている、
「Game × Learning × ???」に山田さんにご参加いただいた後に、
ゲームを専門としない研究者向けにゲームを開発するワークショップをやってみたいねという、
お話をいただいて、準備を進めてきたものです。
我々研究者のやっていることはどーにも外から見えづらく、
友だちや知り合った人に「何やってるの?」と聞かれても極めて気まずい空気が流れることが大半です。
特にクリティカルになるのは、コンパ等ですね(笑)
女性が気を利かせて、「どんな研究してるんですか?」と聞いてくれても、
分かりやすく説明することが出来ず「あー、頭が良いんですね」という感じで会話が終了する。
そんな経験をお持ちの研究者の方もきっと多いはずです(涙)
そんな状況を打破すべく?、
1.ゲームを自分の研究を紹介するツールとして持つこと、
2.ゲームに自分の研究を落とし込むことで、研究を説明可能な形にし、棚卸しをする。
大きく分けて、この2つの目的がこのワークショップにはあります。
さて、私も研究者なのでたまには引用をしながら、上記のことを語ってみます。
Gleenblat(1988)によると、ゲーミング・シミュレーションの目的には、以下のようなものがあります。
・動機づけと興味付け
・教育:情報の提供、情報の強化
・技能開発
・態度変容
・自己による評価、他者による評価
ゲームで研究を伝える場合にどのような目的が想定されるか考えてみると。
・動機づけと興味付け
→研究領域への理解者を増やす
→ゼミ生・学部生の確保・資金の獲得・コミュニケーションの道具として
・教育:情報の提供、情報の強化
→分かりにくいことを教える・よくある誤解を正す
・自己による評価、他者による評価
→研究領域に対する世間の評価を知る、素朴な質問に自分がどのくらい答えられるかを知る、ゲームを作る際に自分の研究や思考法の強み・弱みに気付く
などが目的や意義として考えられます。
詳しい流れ等は、次回のプレ実践が終了して、もう少し洗練されてから報告したいと思いますが、
トライアルの様子を簡単にご紹介いたします。
今回はiGEMという生物版ロボコンのような、
国際コンテストの経験者のお二人に集まっていただきました。
※iGEMさんのウェブページはコチラ
まず、福山による趣旨説明です。
上記に書いたような、研究をゲームにしてみる意義等をお話ししました。
2011年
5月
04日
水
ゲームを通じた学びについて考える合宿@博士のシェアハウス
みなさま、大変ご無沙汰しております。
私、福山は2011年4月より所属が変わりまして、
早稲田大学人間科学研究科博士課程に進学いたしました。
今後も「ゲームと学習」について、考え・研究していくことには変わりませんので、
これからもよろしくお願いいたします。
さて、ゴールデンウィーク前夜の4月28日から29日にかけて、
博士のシェアハウスさんで、「ゲームを通じた学びについて考える合宿」が開かれました。
参加者のみなさま、その節は楽しい時間をありがとうございました。
自分の中でもまとめ切れていませんが、一度書いてみます。
遊んだゲーム以下で、カルカソンヌ以外は、
カレイドソリューションズの高橋さんに提供していただきました。
【カードゲーム】
・ゴキブリポーカー
・髑髏と薔薇
・MOW
・お邪魔もの
・バーンレイト
【ボードゲーム】
・モダンアート
・カルカソンヌ
・プエルトリコ
(他にもありましたら、誰か教えてください…)
大量にゲームをやって感じたことを簡単にまとめるのならば、
「仮想性と現実のバランスが重要」ということと、「デブリーフィングの重要性」でしょうか。
ゲームをやった後に得られるものというのは大きく分けて3つに分けられる気がします。
・なんらかの知識
・ゲームが描いている世界・構造への気づき
・自分の思考法・発想の洗練・気づき
私の立場からすると、この中で一番重視されるものは2番目です。
これは、「ゲームをすることによって、ゲームが描いている世界や構造へ何らかの気づきがあり、
それによって現実世界で何らかのメリットがある」というようなことです。
このような気づきをゲームによって誘発する場合、どこかの段階で、
「現実とゲーム構造」がリンクしていることを参加者が気づく必要があります。
このときゲームの内容があまりにも現実と同一である場合、
ゲームとして面白くなくなることや、参加者が冷めてしまう可能性があると思われます。
例えば、自分のゲームである「Connect the World」に当てはめてみると、ゲーム中で「ゴミを捨てた」時、本当に現実世界で1人がゴミを捨てた程度しか環境汚染が起きなければ、つまらないでしょう。
また、逆に多くのエンタメゲームを遊んだ場合そうであると思いますが、
「現実とは違うどこかの世界」で起こったことであるとプレーヤーが認識すれば、
現実世界に影響を与えることはまず無いと考えられます。
おそらく理想的には「発見学習」ではないですが、参加者が仮想的なゲームの世界の中で活動する中で、「これは現実と関係するのではないか」、「現実の構造もこうなっているだろう」ということを自身で気づくのが良いと思われます。
しかし、もちろんこのようなケースは希であることが想定されますので、
その場合特に重要になるのは「デブリーフィング」でしょう。
※デブリーフィング≒振り返り
ゲームの中で何を学んだか、どのように行動したかを話し合ったり、
今後どのようにゲームでの経験を生かしていけるかを考えたりすること。
ゲーミング・シミュレーション研究の中では特に重視されており、ゲームの実施と必ずセットとされ、長い場合では1時間以上行われる。
今回私は「プエルトリコ」というゲームをやっていて、
ゲームでの植民地経営では、「本国に品物を送るのが重要」・「安価な労働力が潤沢に使用できる場合、経営はまず破綻しないので農園は拡張した方がよい」ということを思いました。
しかし、この「思ったこと」が「ゲームの中で通用する知識」(個人的に「ゲーム知」と読んでます)なのか、現実の植民地経営に思いをはせた時にあっていることなのかは、不明です。
あくまでこのゲームを僕が重視する学び得るために行うと想定すれば、この状態では成功とは言えません。
何らかの形で、現実の植民地経営とゲームのリンクをリフレクションする必要性があります。
つまり、「現実と仮想のバランスが取れたゲームを行い、適切なデブリーフィンを行うこと」がゲームを通じた学びには重要なのではないでしょうか。
当たり前のような話ですが、これが私が今回改めて感じたことです。
以下、個別のゲームの感想を特に気に入ったのを2、3つだけ書いておきます(笑)
【髑髏と薔薇】
ブラフゲーム。参加者は薔薇3枚と髑髏1枚の札を最初に1枚一斉に自分の前に置き、
その後時計回りに順番に場に札を出すか、薔薇を自分が何枚連続で引けるかを宣言するかをする。
誰かが宣言した場合、他のプレーヤーはそれより多い枚数を宣言しても良い。
「まず自分の札を表にした後で」無事に残りの枚数薔薇が引ければ勝ち!髑髏を引くとペナルティ。
http://sgrk.blog53.fc2.com/blog-entry-1880.html
⇒自分の札に髑髏を混ぜた状態でいかに相手を引っかけるかというのが楽しい(笑)
自分が勝ちに行く時には、必ず薔薇を全部にしないといけないので、
お互いがどこで攻めてくるかというのを読む駆け引きがかなり熱いです。
【バーンレイト】
会社経営カードゲーム。IT企業の社長になって最後まで経営を続けられた人が勝ち。
使えない(どこかで聞いたような)アイデアや使えない人材を他者に押しつけたり、
逆に自社のそれらを上手く排除するゲーム。
http://ejf.cside.ne.jp/review/burnrate.html
⇒まずなされる会話が楽しい!「おまえクビ!」とか「こいつマジ使えない!」とか、
「こんなアイデア思いついたの誰だよ!」とか社内では言えないことが大声で言えます(笑)
会社員の方的には納得できる要素も多いらしいですよ。
【モダンアート】
絵の競りをするゲーム。5人の画家の絵を6種類の競りの方法で売ったり買ったりして、
お金持ちを目指すゲーム。
http://sgrk.blog53.fc2.com/?no=624
⇒市場で多く売れた絵から高い価値がつくという要素が面白いです。
競りのやり方と値段の付き方の癖が何となく分かるという学習の要素と
せっかく高く買った絵が値段がつかなかった時の悲しさを体験できます(もちろん逆も)
今日はとりあえず、こんなところで。
次回予告:
「ラーニングアートの旅:Party of the Future 2011に参加して」
「研究をゲームで伝えるワークショップ(トライアル)報告」
を近日中にお送りする予定!
2011年
3月
07日
月
Game × Learning × Eco が開催されました!
2月28日に東京大学にて、ワークショップ「Game × Learning × Eco」を開催いたしました。
このワークショップは、ゲームと学習に関する知見の発表と、
ゲーム×学習の体験のためのワークショップである「Game × Learning × ???」
の第一回目として開催いたしました。
簡単ではありますが、内容をご紹介したいと思います!
1.アイスブレーク
ゲームを体験するグループに分かれて、
思い出のゲームをレゴで再現してもらいました。
カービィ・マリオ・クラッシュバンディクー・インベーダーなど、
多様なゲームが表現されました。
2011年
2月
01日
火
ワークショップ「Game × Learning × eco」(仮)
10月の実践の際に、社会人・院生の皆様に参加したかったというご意見を頂きながら、
なかなか修論などのために機会を設けることが出来ませんでしたが、
このたびワークショップの中でゲームの実践を行うことになりました。
以下、仮版ですが内容の告知です。
2月21日21:15分
定員となり、申し込みを締め切らせていただきました!
現在キャンセル待ちのみの受付となっております。
フォームからご連絡先をご送信いただければ、キャンセルが出ました場合ご案内差し上げます。
個人情報は、ワークショップに関する連絡のみに使用し、
終了後破棄いたします。
申し込みは先着順とし、ご参加頂ける方には後日こちらからご連絡差し上げます。
※2/4 17:00までにお申し込みの方には、受付のご連絡を差し上げました。ご確認ください。
2月は北大でも実践の予定が決まりましたので、
久しぶりに実践月間になりそうです!
_____________________________
対象 (先着順20名まで)
―――――――――――――――-
・ゲームを利用した教育に関心のある方
・環境問題・社会的ジレンマに関心のある方
・単純にゲームで遊んでみたい方
どなたでも参加いただけます。
―――――――――――――――
参加費
―――――――――――――――-
・500円
―――――――――――――――-
―――――――――――――――-
日時:2011年2月27日(日) 13:00~16:00
場所:東京大学福武ホール地下二階 「ラーニングスタジオ2,3」
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access.html
―――――――――――――――
プログラム
―――――――――――――――-
○12:30 開場
○13:00 開会
○13:10 発表「ゲームを利用した学習について」
(プレゼン:東京大学大学院学際情報学府 池尻良平)
○13:40 ゲーム体験セッション「Connect the World」
○15:00 休憩
○15:10 ディスカッション
○15:40 ゲーミング勉強会の今後の活動予定
○16:00 閉会
・下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。
申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいて
いるとみなします。
1.ワークショップの様子は写真撮影・ビデオ撮影されます。
2.写真や動画は、学会・研究会・次回のWSでの発表などに許諾無く利用される場合があります。
(ただし、利用は学術目的か非営利の目的に限ります)
2010年
12月
17日
金
シリアスゲームセミナーの振り返り
昨日、ミッドタウンのデザインハブで、
九州大学のシリアスゲームセミナー(以下SG)に参加してきました。
Twitterではすでにトゥギャられて乗り遅れた感があるので、
ブログとしてまとめることにいたします。(メモの延長ですが…)
※は福山の雑感。
九州大学 シリアスゲームプロジェクト
http://macma-lab.heteml.jp/sgp_official_website/main/
福岡市経済振興局 課長土井さんの挨拶
○H21~23年にかけて、SGの産業育成に行政として取り組むことになった。
→福岡には元気のあるゲーム会社がたくさんあり、土壌がある
→九州大学に委託し、産官学連携のプロジェクトに。
→福岡ゲーム産業振興機構
○日本ではエンタメゲームが流行りすぎたゆえに、シリアスゲームには厳しさがある。
※シリアスゲームに行政として目を付けたというのは凄い!
福岡にはいわゆるパブリッシャではなく、開発の企業が多そう。
藤本先生講演
○シリアスゲーム研究は2番手以降が出てきていない!
○エンタメゲームは娯楽の時間を対象としているが、SGはその他の生活時間も対象にしている
→温泉のように、ゲームの種類と効能が整理されると良い
○シリアスゲームを取り巻く状況
・大学でのシリアスゲーム教育がアメリカを中心に普及
・大規模研究プロジェクトや開発環境の進展
・シリアスゲーム関連イベント、開発コンテストの増加
→特に「Health Games Research」
○米国ではSTEM(科学・技術・工学・数学)教育にゲームを活用
→オバマ大統領が教育へのテクノロジ導入の一環として
※イギリスもブラウン首相がゲームの教育利用について関心があった。
→Future labの報告書などより
○ゲーミフィケーションへの注目
(日本では立命館大学サイトウ先生のゲームニクスが有名)
・ゲーミフィケーションとは?
→ゲームデザインのマーケティングやサービス開発への応用
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20101122020/
http://gamification.org/wiki/Encyclopedia
ex.LeBlancのMDAフレームワーク
ゲームの「メカニクスとダイナミクスとエステティクス」の側面の関係
※こちらに日本語のやや詳しい解説がありました。
http://homepage1.nifty.com/sawaduki/game/sawa/cedec_r.html
原文はこちら
http://algorithmancy.8kindsoffun.com/
○シリアスゲームといっても開発費も期間もバラバラ!
America's Armyは2年で750万ドル!
一方ボランティアによるものもある。
○あなたにとってのビジネスとは?
→シリアスゲームへの関わり方は様々。
○シリアスゲームもモデルを作ることが重要
→成功事例としての「Free Rice」の価値形成モデル
○他分野の実践も参考に
→「もしドラ」もエンタメとシリアスの融合(関連図書への繋がりも)
→ラップで経済学「ケインズVSハイエク」
http://www.youtube.com/watch?v=3EkcQJkudoY
※昔B-lapハイスクールにもCo.慶応とかいましたよね。
○まとめ
・欧米を中心としたシリアスゲームの定着
・ゲーミフィケーションなどのゲームの枠にとらわれない可能性
・シリアスゲームで達成したいことは何か?
シリアスゲームプロジェクト09-10の報告 九州大学講師 松隈先生の発表
○09年度はSGの有効性の土壌を作ることが目的
○環境問題SGPJ
・学生3チーム、企業1チームでのゲーム製作
→人材育成も目的
↑「官」とのMTGや「産」による開発のサポートもあった
・ゲームはVector等で公開し、4本で1万7000DLがあった。
・成果報告はCEDECやG-STARなどで。
評価は小学校で実践。統制実験的なデザインで行った。
→DiGRAで発表。
※小学校で統制実験が出来たというのはすごい!
詳細が聞きたいが、ちょっと無理そう。だれか教えてください(笑)
10年度はリハビリと観光
□リハビリ用ゲーム
○九大にはNamcoと共同研究しているという土壌があった。
http://www.namco.co.jp/press/release/01/20060920.pdf
○必要だがつまらない「起立運動」に注目
→ゲーム化することで楽しく・たくさん行える?
→途中経過だが効果はありそう
□観光ゲーム エレメンツ 石川社長の発表
○シリアスゲームの壁
・政府・自治体・大手にはあまり期待できない
・社会が求めるものとは何か?
・効果測定ができるものはなにか?
→ビジネスと結びつきやすいものは何か
観光→人とお金の動きが見えやすい!
社会的意義もあり!
○ARGを用いた観光ガイドの開発
→場所と連動したStory
→様々なビジネス可能性がありそう
ラウンドテーブル(一部だけ…)
○九州事例の特徴(九大の先生方)
→校長も病院も異例なほど協力的だった!
○アメリカではどうしてSGは普及した?(藤本先生)
1,テクノロジを教育に導入することへの慣れ
2,シリアスゲームのエヴァンジェリストの存在
3,他のメディア学の権威からのサポート
○ビジネスモデル
日本にあったモデルを作る必要がある。
欧米型スタイルの輸入は現状では厳しい(ex.SGラボの失敗)
___________________
福山の感想
正直にいって九州事例はあまりにも理想的すぎると感じた。
産・官両面のサポートからSG研究が始められることは他地域ではまずなさそう…。
ただ、やはりSG研究で研究者がコンテンツを作るのは難しいので、
研究内容によっては産業界と結びつくか大学でプログラマがいないと辛いだろう。
前から思っていたことだが、ゲームと相性の良い分野として、
「医療・法律・環境・観光・(軍事)」というのは確実にありそう。
個人的にはいつか一度は医療系の人と一緒にゲーム研究がしてみたい。
また、産業界の方とお話しして一番望まれているのは「効果測定」だと感じた。
ゲーム研究で一番(教育)効果の測定が遅れているというのは、
(一応)教育・心理分野からアプローチを目指している自分として正直チャンス。
きっちりそちらに軸足を残した上で、ゲーム研究をしていこう。
2010年
11月
15日
月
実践を終えてのリフレクション
11月6日をもちまして、修論のためのワークショップの実践が終了いたしました。
10月、11月と東大で4回・立教で1回の計五回を実施し、
全部で36名の皆様に参加していただきました。
参加いただきました皆様、告知にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。
実践の記憶が新しい内に、ふり返りをしたいなと思い、ココに書いてみました。
ゲームの内容や展開に関することは、今後ご参加いただく方もいるかと思いますので、
触れずにおきます。(タネが分かると気づきが薄れるゲームなので…)
今回の実践は修論のためのデータコレクトであり、2パターンのゲームの比較実験であったという制約上、ゲームやリフレクションへの介入は出来る限り控え、全グループ出来る限り同じ介入になるようにせざるを得ませんでした。
やってみて私自身、ここでもうちょっと介入したかった、とか、
このグループにはこういうリフレクションをさせたかったという思いは強くあり、
このゲームの可能性はどこまであるのか今後も探りたいという気持ちがあります。
来年に最低一度は実施したいなと思いますので(ただ、もう謝金はないと思います/笑)、
今回ご参加いただけなかった皆様にもぜひ体験していただければ幸いです。
今回実践を行って、一番強く感じたのは、
全参加者が環境問題について熱く語っていたことへの驚きでした。
実践後に全参加者に10分程度インタビューを行い、
その中で何人かの参加者の方から、「他の人がこんなに環境問題について考えているとは思わなかった」、「普段は環境問題について話す場がなかったが、みんな色々考えているということが分かった」という、コメントを頂きましたが、本当にどの参加者も環境問題について思うことをしっかりと語ってくれ、私が正直一番気づきを得たのではないかと思っています。
ゲームの効果に関しては現在分析中ですが、全参加者があれだけ語ってくれたということは、
一つ大きな自信になりました。
今回は1,2回の打ち上げを開いてくれたグループを除いて
ほとんどの参加者の方とはお話しできませんでしたので、次回実施の時はじっくり感想など聞いてみたいですね。
もちろん、今回の参加者の方ともまた機会があればお話ししたいです。
また、今回実施しながら、同じ枠組みで環境問題以外(会社とか?)をテーマとしたゲームも作製したいなと考えましたので、そちらもまた来年くらいにはやってみようかなと。
それでは、また近いうちにお目に掛かれるよう、頑張ります。
2010年
10月
18日
月
ワークショップ開催情報
『環境問題をゲームで体験して考えるワークショップ』
参加者募集は終了いたしました。
東京大学大学院 学際情報学府2年の福山佑樹と申します。
私は、修士研究として「環境問題を体験して学ぶためのカードゲーム教材」の開発をおこなっておりまして、
このたび10月に評価のためのワークショップを行うことになりました。
<ワークショップとゲームの内容>
環境問題に対して、自分や社会を見直すことで、自分なりの意見を作るためのワークショップです。
環境問題には様々な側面があり、座学での学習ではその構造がわかりづらいと言われています。
体験していただくゲームでは、カードを媒介として参加者同士で相互作用をする中で、
環境問題の中の諸問題を体験することができます。
その中で、身近な行動などが環境問題とどのように関係しているのか、環境問題の解決には何が必要なのか、ゲームを体験し・リフレクションをすることで、自分なりの意見を作るきっかけとなります。
※すでに自分なりの意見や行動を持っていらっしゃる方よりも、これから環境問題に対して考えていきたい方を、対象として設計されています。
<ワークショップの流れ>
ゲームの体験とグループリフレクション
および、アンケート・インタビュー
(3時間以内の終了を予定)
<開発・実践者紹介>
福山 佑樹(ふくやま ゆうき)
1985年東京生まれ 早稲田大学人間科学部卒業
現在、東京大学大学院 学際情報学府 中原研究室在籍。
ゲームを通して人がどのように学習するのか、ゲームでどのような学習効果が上がるのかについて研究している。
好きなシリアスゲームは、「Civilization4」・「Climate Challenge」など。
<開催日時と空枠情報> ※10/25 PM18:00更新
2010年
・10月16日(土) 13:00- @東京大学本郷キャンパス
※終了いたしました。
・10月23日(土) 13:00- @東京大学本郷キャンパス
※終了いたしました。
・10月24日(日) 13:00- @東京大学本郷キャンパス
※終了いたしました。
・10月24日(日) 16:00- @東京大学本郷キャンパス
※終了いたしました。
・10月31日(日) 13:00- @東京大学本郷キャンパス
※受付終了
・11月06日(土) 13:00- @立教大学新座キャンパス
※受付終了
<時間>
13時~16時の約3時間
(12時45分集合)
※24日のみ16時15分~を開催
(16時集合)
<開催場所>
東京大学本郷キャンパス
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
<謝礼>
「交通費+α程度」の薄謝
<参加条件>
・大学の学部学生の方
※ただし、環境問題をご専門とされている方、NPOなどで環境問題に取り組んでいる方は、
実験の都合上除外いたします。
・本ワークショップは研究目的で実施されます。ワークショップで
取得した各種データ(発話データ、音声データ、映像データ)は、研究
、研究広報目的にかぎり自由に利用することを許諾すること。本データ
に関して、著作権および、肖像権等の権利を主張しないこと。氏名等は
プライバシーに配慮して匿名で処理します。
<申し込み方法>
上記に参加条件に当てはまり、同意される方は、
お名前・ご所属と学年・ご連絡先・参加を希望される日程(できれば第二まで)を下記URLのフォームからお知らせください。
日程・開催場所の詳細・アクセスなどは応募後、
fukuyamayuki@gmail.com
からご連絡差し上げます。
お問い合わせも上記メールアドレスにお願いいたします。
※ゲーム内容の都合上、4人単位での開催となります。
人数の状況によっては、空き枠がありましても第二希望での参加をお願いすることがありますが、ご了承ください。